幼稚園訪問記

ドイツでは満三歳の夏休み明けから幼稚園に行き始めることが多いらしく、うちも先月やっと長男の幼稚園の申込を済ませました。「入園許可は早いもの順なので、人気のある幼稚園は妊娠中から申し込まなくてはいけない」等と聞き及び、すっかり出遅れたかと恐れていたのですが、幸いうちの周りの幼稚園はのんびりしており、どこも12月頃までに申し込み、4月頃に入園許可を出すというスケジュールのようでした。申込に先立ち、徒歩圏内の幼稚園を見学して回りましたので、その印象などをメモ書きしておきます。

・運営母体は地方自治体(市)、教会(カソリック、プロテスタント)、私営。
・年齢別ではなく縦割りグループ。
・1グループの児童数は25人弱、先生は2人。幼稚園1つにつき2~3グループ。
・自由遊びが主。
・家から幼稚園に持参する食事は昼御飯ではなく朝御飯で、全員揃って食べる訳ではない。
・グループ室、運動室、朝食室、園庭がある。
・月謝は親の収入と保育時間に応じた段階性。基本的な月謝は定められており園による違いはないが、私立は更に追加でお金がかかる。
・開園時間はだいたい午前7:30~12:30、昼食12:30~14:30、午後14:30~16:30。
・申込時に週25時間(午前のみ)、35時間(午前+午後)、35時間連続(午前+昼食)、45時間(午前+昼食+午後)の四種類から選択できる。ただし実際には、週25時間や35時間連続の申込は受け付けない園が多いし、45時間の受け入れ枠は限られており共働き家庭等の子供で手一杯という場合が多い。
・選考基準は園によって違うが、年齢(月齢)、宗教(教会運営の場合)、自宅が教区内か(教会運営の場合)、両親が仕事をしているか、兄弟が同じ園に通っているか、等。

日本の幼稚園の現状はわかりませんが、ドイツの幼稚園は自由遊び(das Freispiel)を重視している所が多いようです。子供の個性や自主性を重んじる、と言えば聞こえはいいですが、単なる野放しのような気もするなぁ~と思っていたところ、近所の先輩ママさんからこんな話を聞きました。「息子はA幼稚園に行かせたんだけど、自由遊びと称してほったらかしだったので、息子は3年間ずっとレゴブロックで遊んでいるだけだったわ!週に一度、体操の日があるんだけど、これも希望する子供だけなので、息子は2ヶ月ずっと運動しないままだった。それに週に一度は森に散歩する予定になっているのに、天気が悪いだの子供の誕生祝だのと理由をつけて半分はキャンセル。やっと出かけたと思ったら行き先はいつも森ではなく公園だったわ。先生の入れ替わりも激しいし、いろいろ不満があったので、下の娘はB幼稚園に行かせたら、これが大当たり!毎週いろいろとアクティビティがあり、お絵描きやはさみを使う練習や写真をまとめてバインダーにしてくれたの。息子の幼稚園はこんな事は何もやってくれなかったのよ。幼稚園によってこんなに違いがあるなんて知らなかった。」・・・私も知りませんでした・・・。

ドイツでは昼食のためいったん家に帰る幼稚園児が主で、共働きあるいは特別な事情のある家庭の園児1/3程度だけが残る(45時間保育)場合が多いようです。しかし、いくら私が暇人プー太郎シュフでも、幼稚園に1日4回(!)送り迎えをして、その合間に買い物や食事の支度を済ませ子供達に食べさせて・・・となると、考えただけでもかなり慌しいし、一緒に連れ回される次男は落ち着いて昼寝をする暇すらなくなんだか可哀想。午後は必ずしも登園しなくてはいけない訳ではなく、特別なイベントのある時しか来ない子供がいる、というのもうなずけます。夫は「ドイツではもともと昼食が一日の主な食事だから」と言いますが、日本人の私にはどうも違和感があり、「ご飯を持たせるなら朝ではなく昼に食べさせ、午後までそのまま預かって欲しい」と思ってしまいます。

日本では共働き家庭には保育園という選択肢がありますが、ドイツでは幼稚園と保育園という違いはないらしく、延長保育という話も聞きませんから、45時間保育と半日勤務でやりくりしている共働き家庭が多いのかもしれません。また、三歳未満の子供の受け入れは、まだまだ例外的なものの増えつつあるようで、私が訪れた幼稚園でも、少人数ながら「つい最近始めた」あるいは「来年/再来年に始める予定」というところが多かったです。ドイツの育児支援策については以前に一度書きましたが(過去記事参照)、少しずつ改善されつつあるという事でしょうか。

幼稚園の選択に当たっては、教育方針を最重視すべきなのでしょうが、先生方は当然ながらいい事しか言わないし、一時間やそこらの訪問では宗教色以外の違いはなかなかピンと来ないというのが正直なところでした。一つだけ明らかに毛色が違うと感じたのが、障害者教育に力を入れている私立の幼稚園。そこの幼稚園は親主導(Elterninitiative)というだけあって(?)、親が庭仕事や窓拭き等をする事になっており、自宅の窓は子供の手形だらけなのに幼稚園の窓をせっせと拭く自分の姿を想像してちょっと笑ってしまいました。それ以外の園はどこも似たり寄ったりとなると、「うちから近いのが一番かな」などと思ってしまったり。長男は「6月生まれ、無宗教、母親が無職」なので、入園許可の出る優先順位がかなり低いという不安もあり、4つの園に申込用紙を提出しましたが、さてどうなる事やら。
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Commented at 2010-01-08 00:29
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ○さん at 2010-01-08 04:52 x
Pinguiさんの街は大きいのでうちみたいな田舎とは違っていろいろと難し点が多いのではないかしら?うちの子供たちの行っている園は、35時間、35時間プラス昼食というのもあります、うちは2人とも35時間です。ここの管轄はGT市で、定数に満たないと怒られ 多すぎると怒られ・・・おととし変わった教育法により園の先生方は教育というよりもむしろ事務的な仕事を大草負わされるようになったようでドイツの教育の行く末の不安を感じさせられている昨今です。お昼につれてきて食べさせてまた連れて行く、面倒だと感じてました、私も。娘は先に日本語が優勢だったのでドイツ語力をつけるためにいつしかどうしても幼稚園の午後クラスに連れて行かざるを得なくなりましたね。午後はお菓子作りや工作なんかのクラブになっててドイツ人として子供を成長させるためにドイツ人の作るお菓子や工作を学ばせるためにたいへんためになりました。
Commented by ○さん at 2010-01-08 04:53 x
続き~
でも娘も幼稚園一年目はほとんど午後は行ってなかったので(体力的なことや息子が生まれたばかりだったことや環境の変化に親がついていけなかったこととか(汗) Pinguiさんも最初は様子を見ながら だんだんに許容範囲を広げていけばやり切れますよ。ドイツの育児支援、ぜひ改善してください、わが子が小さいうちに!!←声を大
Commented by stanislowski at 2010-01-08 21:27
さすがペン母さん、私と違って緻密だわー。
たかがプレイグループだけど、民間の安いグループは野放し感がありますね。仕方ないか。でも身近なドイツ人ママさんはこういうのも好きみたい。日本で育った私には物足りなく思いましたが。
ペン母さんは、どちら?
Commented by どいつりす at 2010-01-08 22:19 x
義姉の子供たちがどっぷりドイツの野放し教育で育っています。
はっきり言って、 penguinophileさんのお子様方があのようになって欲しくないです。
がんばってください♡
Commented by penguinophile at 2010-01-08 23:24
鍵コメさま:
日本の幼稚園の先生はピアノが出来る人が多いと思いますが、私が今回見て回った幼稚園はほとんどが「CDラジカセあります♪」でしたよ。やっぱり先生にリズム感なし?(^^;一つだけピアノが置いてある幼稚園があって、そこは週一度午後に別料金でクラスがあり市立音楽学校の先生が来て教えてくれるらしいです。
作業中の事故の保険までは考えなかったですけど、あそこの園は自己責任のような気がする・・・
Commented by penguinophile at 2010-01-09 00:40
○さんさま:
教育法の変更があったんですか。幼稚園の先生は事務的な仕事よりも子供の相手に気持ちと時間を向けて頂きたいものですよねぇ。
私が見学した園もお料理とかのアクティビティは午後の事が多いみたいです。午前中は子供が多くて手が回らないから自由遊び?それって根本的に何か間違っているような気がするのは私だけ?
そうですね。だんだんに許容範囲を広げていけばいいんですよね。最初からいきなり一日二回登園させると、生活の変化が激しすぎて家族全員が目を回しそうですから、最初のうちは午後は特に面白そうなイベントの時だけ行けばいいかなぁ、と。
育児支援改善、孫世代に期待?(苦笑)
Commented by penguinophile at 2010-01-09 00:41
stanislowskiさま:
いやぁ、ちょっと緻密に考えてはみたものの、結論は「うちから近い方がいいかな」ですから、全然意味ないっていうか、そんなん見学しなくてもわかってただろっていうか(^^;;;
幼稚園前の親子プレイグループは、ママさんどうしが楽しく交流できて子供が子供慣れ(?)できればそれでいいかなーっと思いますが、3歳から6歳までずっと野放しってのもどーよ、みたいな。自由遊びも重要だと思いますが、要は程度の問題ですよね。
Commented by penguinophile at 2010-01-09 00:43
どいつりすさま:
お義姉さんのご家族もやっぱり野放しなんですねー。
ダレ母を持ちドイツの幼稚園に行く長男は、三年間ずっと電車と車の玩具で遊んで終わりそうな予感が・・・(^^;;
Commented by オミ at 2010-01-09 22:26 x
ご無沙汰しています。幼稚園選び、難しいですよね。子供が通っている園のホームページには、幼児教育に情熱をもった保育師が毎日さまざまなプログラムを準備しているみたいなことが書いてありますが、迎えに行くと怪我がないように気をつけてみてくれてはいるようですが、野放し状態です。いろいろと思うところはありますが、子供達が嫌がらずに通っているし、通園にも便利なので、まあ、いいかといった感じです。

ご主人様がご出張のときに、病気になってしまわれたなんて、本当に大変でしたね。よく分かりますよ~!うちは主人が一週間出張でいなかったことがあったのですが、そのあと私は熱を出してしまったことがありました。

今年もブログ、楽しみにしていますね。でも、どうぞご無理のないように。
Commented by ちえ at 2010-01-10 19:36 x
NHK の番組で、ドイツの少子化対策は日本と同じ子供手当の支給をしたけれども、結局幼稚園態勢のような地域の育児補助対策がなされていなかったため、結局失敗に終わって、日本も子供手当が出ても同じ事情で同じ結果に陥るのではないかと言っていました。ということを目の当たりにしているわけですな。その点、お金さえあれば、スペイン語が得意になってしまうことを気にしなければ子供を預けるところに不足はないアメリカは恵まれているのか?
ところで、子ペンたちは日本の子供手当は受け取れるの?
Commented by at 2010-01-12 18:43 x
こんにちは〜。
幼稚園選び、悩むところですね〜。
あまり至れり尽くせりというところも好みではないけど、野放しというのも困るしね。

うちは(昔)徒歩圏内に一つしか幼稚園がなかったんですが、やはり働いていない親の子は家に帰って昼食でした。
はっきり言って、4回の送り迎えは大変です!
小学校も基本的に送迎が義務づけられていたので、あのころは1日15000歩以上歩いてました。
Commented at 2010-01-13 10:30 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by penguinophile at 2010-01-13 23:47
オミさま:
ご無沙汰しています。今年もよろしくお願いします。
ホームページと現実の差、すごく良くわかります。12月に一番近い幼稚園で、0~2歳児親子を対象とした会があったので行きましたが、要するに単なる野放し、最後だけ一緒に歌を歌っておしまい。まぁその幼稚園の飾らないありのままの様子を見せて頂きましたわ(苦笑)。
うちの夫も一週間くらいの出張はちょこちょこあり、次男が生まれて間もなくの頃は、長男を義両親宅に預かってもらったりしましたよ(そしたらいきなり休暇気分になった・笑)。オミさんの旦那様は結構出張が多いのでしょうか。24時間ずっと大人の手が二つしかないというだけでも大変ですよね。
Commented by penguinophile at 2010-01-13 23:51
ちえさま:
どういう家族にたくさん子供を産んでもらいたいか、というあたりの微妙な問題もありますが、個人的には現金よりも保育体制充実の方が少子化対策には有効そうな気がします。とはいえ私も小市民なので、現金を有難く頂いておりますが~。うちは日本の子供手当は対象外でしょう、たぶん。いや調べてすらいませんが。
Commented by penguinophile at 2010-01-13 23:58
麻さま:
幼稚園、「三年間野放し」になりそうな気がすごーくします。
一日四回の送り迎えはやっぱり大変ですよねぇ。特にうちの二歳児は最近だんだん、何をするんでもいちいち説得して納得させる必要があり、時間が決められてると親子喧嘩が増えそうです。ちなみにうちの近所の小学生は、親が交代で付き添って集団登校してるみたいです。
Commented by penguinophile at 2010-01-14 00:06
鍵コメさま:
うわーっ!懐かしい~!コメントどうもありがとうございます。そちらのホームページもちょっと覗かせて頂きましたが、賑やかな家族で元気に楽しくやっているようで何よりです。しかし・・・上のお子さん、もうそんなに大きいのー?お腹の中に入っていたのがついこの間のような気がするのに!アタシもトシとるはずだわ(笑)。
なんだかうっかりはずみで独逸なんぞで暮らす羽目になってますが、それ自体は別にすごくも何ともないですよ・・・。確かに綺麗な風景がたくさんある国だと思いますが、コブコブ付きで生活する上では、大聖堂や木組みの可愛いおうちよりも、納豆や刺身が買えるスーパーの方が有難いというのが本音です(^^;。高緯度に住んでいると、夏はいいですが冬は確かに太陽が恋しくなりますね。関東と違ってお天気も悪いし。
どうぞご家族皆様にとって良い一年になりますように。旦那様にもよろしくお伝え下さいね。
by penguinophile | 2010-01-07 18:53 | 子供 | Trackback | Comments(17)