親馬鹿日誌:長男5歳10ヶ月、次男3歳10ヶ月、長女1歳11ヶ月の言葉

うちの子供達はいちおう日独二ヶ国語を話しますが、両言語の水準が同じ訳ではありません。現時点でどちらの言語が脳内で優勢かを見極めるのに、私は兄弟間の言語を目安にしています。長男と次男の間の会話は生まれてからずっとドイツ語のみでしたが、日本に滞在して二ヶ月を経過した頃から日本語が混じり始め、三ヶ月が経過した頃にはほとんど日本語になっていました。五歳の長男は漢字にも興味を示し始め(しかし親がうまく導かなかったため今は振り出しに戻ってしまった感があり)、三歳の次男の日本語会話能力はめきめき上達しました。クリスマス前に私の友人宅に遊びに行った際、長男は早口言葉の本を持参して一人で音読し、次男は浦島太郎の歌を歌っていたので、友人は「なんだかフツーの日本の子供だ・・・。」とか言っていました。実際、半年間の滞在の終盤には、幼稚園の友達との会話を耳で聞いただけでは、「ガイジンの子供が混じっている」という違和感はほとんどなかったように思います。ちなみにうちの子供達がドイツから日本に来たとわかっていても、片言の英語で話しかけてくれる人がいました。「ガイジン顔=英語を話さなくちゃ!」となってしまう気持ちはわかるし、例えば夫に関してはそれで正解なのですが、うちの子供達には全く通じません(^^;。
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↑日本到着後すぐに長男が生まれて初めて書いた(描いた?)漢字(五歳三ヶ月)。たまたま食卓の上に置いてあった牛乳パックを見て書いたらしいが、人生最初の漢字が「低脂肪牛乳」「低温殺菌牛乳」ってどうよ(^^;。長男はテレビの天気予報の大ファンで、観ているうちに「東京」など書けるようになっていました。

しかし子供は覚えるのが速い一方で、忘れるのも速い(ちなみに私は忘れるスピードだけは子供にも負けない--;)。日本では子供達がパパと顔を合わせるのは週末(金曜夜~月曜朝)だけで、週日は日本語オンリーの生活。それは日本語の習得には有利な状況でしたが、ドイツ語はリスニング力はともかくスピーキング力はがっくり落ちて、パパに話すのに「どう言ったらいいかわからない。」と私に言う事すらありました。特に次男は滞在終盤にはパパに向かって「Ich will 東京タワーのぼりたい。」「Das 赤いの ist 辛いの。」「Mama ist まだ熱。Deshalb kann Mama まだ歩けない。」などのちゃんぽん迷言を発していました。

ドイツに戻り幼稚園に通い始めて三週間が経過した現在、息子達は着実にドイツ語を取り戻しつつありますが(私は完敗)、頭の中はまだ7対3で日本語が優勢といったところ。今日は初めて二人の間の会話の中でドイツ語が(単語レベルではなく文構造で)使われるのを耳にしました。今は二人の遊び方も日独ちゃんぽんで、例えば電車ごっこでは、高田馬場始発の電車がDortmundと海浜公園を経由し終点の八丁堀まで走ります。Dortmundでも車内放送は容赦なく日本語で「間もなく発車いたします。閉まるドアにご注意下さい。」
また、クイズ遊びでは、
問題「シャ・ア・f」 → 回答「ひつじ(独Schaf)」
といった翻訳問題も出題されます。ここで例えば「Haus(回答は「おうち」)」が「ハ・ウ・ス」ではなく「ハ・オ・s」となるあたりはさすがドイツ語ネイティブだな、と妙なところで感心するワタシ。

そんな中、今週は次男が幼稚園で、就学2年前幼児を対象としたドイツ語の試験(DELFIN4)を受けました。試験内容については過去記事参照。もともと言語面の発達は長男より次男の方がゆっくりめな上、なにしろまだまだ脳内環境は日本語優勢ですから、絶対に「不合格→補習」コースになると確信していたのですが、意外や意外、「合格ラインのギリギリ下で再試験」コースになりました。担任の先生が話してくれた試験内容はかなり難しく、私が受けたら確実に「不合格→補習」コースだなぁと思ってしまいました(いっそ補習を受けたい・・・)。先生の話では、試験を受けるのは四歳児が多いのにうちの次男はまだ三歳だし、ドイツに戻って三週間にしては上出来、追試までには問題なくなっているでしょう、との由。まぁ追試で不合格になったところで園内で無料で提供してくれる補習を受講させてもらえばいいだけの話ですから、生ぬるい目線で見守っていればいいだろう、と呑気に構えております。試験結果で興味をそそられたのは、長男も次男も「音を無作為に連ねただけの意味のない造語をオウム返しにする」分野の得点が他の三分野に比べて妙に高いこと。もしかしてバイリンガルキッズの得意分野?と安直に考えたりするのですが、サンプルNo.3の結果に乞うご期待(笑)。

そのサンプルNo.3(娘)は、間もなく二歳の誕生日を迎えようとしています。日本滞在中に一歳七ヶ月で「ママ」からしゃべり始めました(ちなみに「パパ」は「キティ」よりは早かったものの「アンパンマン」には1ヵ月近く負けました^^;)。私と過ごす時間が最も長く、次に接する機会が多い兄達も今は日本語が多いので、今のところ娘も日本語優勢です。それでもドイツに来てから「Tchüs(バイバイ)」「Hallo」「Brot(パン)」「Warte(待って)」などドイツ語も増えてきています。面白いのは、まだ単語あるいはせいぜい二語文あるいは三語文しか話せないのに、既に日本語とドイツ語を区別しているという事。例えば一歳九ヶ月の頃から夫からの質問には「ja」と答え、私からの質問には「はい」あるいは「うん」と答えます。パパとお兄ちゃん達が一緒に出かけるのを見送る際には、パパには「Tchüs」お兄ちゃん達には「バイバイ」と言わねばならず、なんだか忙しそうです(笑)。

子供達の脳内環境がドイツ語優勢に戻るのは時間の問題ですし、息子達はもともとドイツ語の方が達者だった訳ですから、ドイツ語から日本語に切り替わるよりも日本語からドイツ語に切り替わる方が速いでしょう。徐々にドイツ語に傾きつつある今日この頃、日本語の文構造にドイツ語単語が混じる事もちらほら出てきて、私が「え?何て言った?」といちいちとぼけて訊き直して息子に考えさせる、親子双方にとって微妙に面倒で不自由な日々がまた戻ってきつつあります。「私の子供達が自分にとって一番楽な言語で私と会話してくれるのは、一生のうちで今だけかもしれない」などと思うと、ちょっと切ない母心。
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Commented by M at 2013-04-24 00:45 x
最後のほうでホロっとなってしまいました。
私などは外国暮らしは憧れこそすれ、きっとすぐに音を上げると思います。異国の地で奮闘してらっしゃるP様に心からエールを送りたい。
Commented by penguinophile at 2013-04-26 06:03
Mさま:
ご声援どうもありがとうございます(T^T←感涙)。いつの間にやら在独7年近くになりますが、まだまだヘナチョコで、言ったもん勝ちのドイツ社会で自己主張が足りずに負けちまい、後から自己嫌悪に陥ったりしています。渡独当初は7年も住んでる人なんてドイツ生活のプロに見えたのに。トホホ。
Commented by lechat at 2013-05-05 00:19 x
ドイツ語と日本語のような全然異なる言語でも混ざるのですねぇ。

ところで牛乳パックの漢字、とても上手ですね!うちも書くことはないものの、牛乳パックって毎朝目にするし、自立していて見やすいらしく、「北海道」や「牛乳」という漢字を早くから読むようになりました。ついでに「カルシウム」やら「100%」やら「1000mL」やら乳脂肪分の年間変動グラフ図やら、子どもにとって興味をそそる(?)材料がそろっているようです(笑)。ドイツの牛乳パックはどうなのかしら?
Commented by penguinophile at 2013-05-08 15:54
lechatさま:
日本語とドイツ語、混ざりますねぇ。次男は特に「Kuhがfressenするのは何?」とか、どこの国の人にも通じない文を平気で口にします。トホホ。
乳脂肪分の年間変動グラフ!そんな面白い物はうちで今買っている牛乳パックにはありませんねぇ。そういえば長男は最近たまに「○パーセント」と口にするんですよ。もちろんどこから出てきたのかさっぱり意味不明な数字なんですが、そういうお年頃なんでしょうかね。
by penguinophile | 2013-04-20 06:45 | 子供 | Trackback | Comments(4)