親馬鹿日誌・長女3歳

娘が三歳になりました。
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長男の「魔の二歳児」時代には親子喧嘩が日課だったのに比べると、次男と娘の二歳児時代は穏やかなものだった。うちの末っ子一人娘は甘やかされつつすくすく成長中。残念ながらまだまだ余裕でオムツマン。三人目にして初の日本語先行型だが、最近はドイツ語のおしゃべりも多い。会話が成り立つようになるのは三人の中で一番早かった(ちなみにベビーサインを覚えて使ったのも娘だけ、ただし満二歳を迎えた時点での単語習得数は長男が一番)。兄が二人いるだけあって電車も車もボール遊びも大好きだが、ピンクの可愛い物も大好き。お店でバッグを見かけたら持ってみないと気が済まない。キティーグッズを見かけると自分の物だと言い張る。何でも「一人じゃ出来ない」と甘えてはみるが、見守ってあげれば自分でちゃんとやる事も多い。でんぐり返しを披露して拍手を要求。昼寝は一人でもできるのに、夜は添い寝が必要で、夜中に起きてママが隣にいないとアパート内を徘徊。食わず嫌いの偏食女王のくせに丈夫。通りすがりの人にも愛想良く「ハロー」と声をかけて手を振る(のはいいが、赤の他人に投げキスはちょっとやり過ぎ)。「こんにちは」でお辞儀。家族におやすみのキスをして回る姿が超可愛い(はい、親馬鹿ですが、それが何か?)。

三年前の今日は、朝一番で分娩室に呼び出され、分娩誘発のため薬を飲み、モニターをつけて「これが終わったらゆっくり朝ごはんを食べに行こう。今日は英国ロイヤルウェディングがゆっくり観られそうだな。うちにはテレビがないから病院で観られてラッキー。」とか呑気な事を考えているうちに胎児の心音が下がってしまい、それでも妊婦の私は何も感じないのが妙に恐ろしく、私が深呼吸をしたくらいでは心音は回復せず、いくら経産婦でも陣痛も来ないうちから子宮口は開いておらず、そうこうするうちにスタッフ大集合状態になっており、父親がつかまらないのは上の子の幼稚園送迎中だからだろうと言ったらその呑気ぶりを全員に笑われ(夫よ、妻の出産当日くらいはケータイの電源入れて持ち歩け!)、「あと一分待って心音が回復しなかったら帝王切開だから」と言われ、一分待っても回復しなかったのでベッドのまま手術室に送られ、手術室では医師達が準備中だったので驚き、この期に及んで「トイレに行ってもいいですか?」などと間抜けな事をほざいて「駄目ダメ!カテーテル入れてあげるから!」と一蹴され、冷たい手術台に上がりながらお腹の赤ちゃんに日本語で「お願い、頑張って。後で会おうね!」と話しかけて助産婦さんに不審がられ、あまりにも急な展開に頭では理解できても気持ちがついて行かないのか現実感を喪失しつつ、自分の手が震えているのを見て「あぁ私こわいんだ」とか思い、「部分麻酔だと数分かかるから全身麻酔にするから」と言われて事の緊急性を改めて認識し(そりゃトイレなんか行ってる場合じゃないわな)、麻酔医に食事についてテキパキ尋ねられたので「昨夜9時にバナナ、以降は水のみ」とテキパキ答え、麻酔のマスクを当てられ「あぁもう怖いから眠ってしまえー!」と思い・・・・・・目を覚ましてすぐ、横にいた助産婦さんに「赤ちゃんは?」と尋ね、無事を知って涙を流し、あまりにも型通りに「お母さん」な行動をしている自分にちょっと感心してしまった(笑)。今更ながら、無事に生まれてくれて良かったわ、ホント。

三人目の子供を欲しがったのはむしろ夫の方で、私は体力的に自信がなかった。でも長男と次男が「一緒に育っている」姿があまりにも微笑ましくて「もう一人いたらもっと楽しいかな」なんて思っちゃったし、長男も「赤ちゃんが欲しい」と言うので、「授かったら産んであげるよ」とか無責任に思っていたら速攻で授かった。授かってみたら女の子だったので私も嬉しかったし、一般的には女子の方が母親への体力的な負担は少ないだろうから「ヤレヤレ助かった」とも思った。チビ三匹いると既に小さな社会というか、人間関係がぐっと複雑になる感じが見ていて面白い。三歳近くなるともうかなりいろいろ理解して行動に移せるので、兄弟間でも「愛玩対象」から「遊び相手」に昇格したらしい。最近では三人一緒なら公園で放し飼いが出来るようになり、私は見守るだけのラクチンな時間もある(ただしブランコがあると延々と押し続けさせられる)。私はもともと自分が二人姉妹だったから、何となく子供は二人をイメージしていたのだが、今となっては娘がいない状態の方が想像しづらいのだから妙な話。家族がみんな元気でいられるのが一番大事、あとは全部些細な事。
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次男が通っている幼稚園に、秋から娘も通う事が先日決まった。実は既に一年前、二歳の秋にも幼稚園には空きがあり入園は可能だった。でも私は、息子達が二歳の頃には下に赤ん坊が生まれてじっくり相手が出来なかった悔いがあり、末っ子くらいはゆっくり育てたい気持ちから入園を見合わせて三歳過ぎまで手元で育てる事を望み、夫も納得していた。

…が、しかし。義母がこれに猛反対。想像力豊かで先回りする性格の義母の頭の中では、「孫娘は母子密室育児で発達障害になっても気付かれず落ちこぼれ、孫息子達は育児放棄されてグレ、息子は家事育児の負担が大き過ぎるせいでキャリアが台無しになる」という未来予想図が描かれてしまったらしく、「penguinophileの身勝手で私の家族が不幸になるのは断じて許さないっ。私は怒りのあまり1kg痩せた。入園を辞退しないと今ここで約束しなさいっ!」と電話口で泣くわ喚くわ脅すわすかすわの大騒ぎ。いちおう私は自分の考えを理解してもらおうとつたないドイツ語で懸命に説明したのだが、ここまで興奮している相手とまともな話し合いなど土台無理。

人生経験が豊富な姑から見れば、世間知らずな外国人嫁のやる事なす事危なっかしくうつるのは当然で、「私の言う通りにしておけば間違いないのに、この馬鹿嫁がっ!」という心境になるのも想像に難くない。それでも子供の育児に関する諸事の決定権は親にあり、祖父母は意見や助言を与える役目に留まるべきだろう。嫁の育児方針が自分の意に沿わないという理由で怒り狂うのは、姑の行動としては筋違いの過干渉としか思えない。義母の体重が減っては気の毒だからと娘を幼稚園に入れるほど優しくもなければ従順でもない私は、とっとと幼稚園に入園辞退の書類を提出しちまった。

それから一年。特別な事は何もしなかったけれど、一緒に絵本を読んだり、公園で遊んだり、買い物したり、料理したり、水泳教室や音楽学校に行ったり、そういう当たり前の生活時間を可愛い盛りの娘と一緒に過ごせて、私はとても幸せだった。もちろん常に幼児連れの生活は何かと不便な事が多く、まだ幼い娘に無理を強いてしまった事もあるけれど、不便も期限付きならば楽しむ心の余裕も生まれ、全体的には「大好きだよ。一緒にいられて嬉しいね。私達のところに生まれてきてくれてありがとう。」のラブラブ状態で過ごせた。もっともそんなのは私の自分勝手な自己満足にすぎず、娘がもし去年から幼稚園に行っていれば、もっと自立して社会性が発達していたはずなのに、と義母は苦々しく思っているだろう。幼稚園に通った方が友達と多彩な遊びが出来て、娘にとっては楽しかったかもな、とは私も思う。でもどこまでもわがままな私は、「子供の成長を支えるために自分の人生の一時期を費やしている親には、二歳児を手元に置いて可愛がるくらいのごほうび特典があってもいいんじゃないかなァ」などと思ってしまうのであった。

そんな娘ももう三歳。本人もそろそろママだけでは飽き足らず、お兄ちゃん達やお友達と一緒に遊びたい気持ちが強くなってきたようだ。私としては正直ちょっと寂しいけれど、あともうしばらく母娘水入らずの時間を堪能させてもらってから、娘の成長にそっと手を添えて幼稚園に送り出してあげたい。

***以下、『石田衣良(作家)流 パパ3カ条(読売新聞2007/09/15)』より抜粋引用***
一、コントロールしない
一、子供は親と別の人間
一、成長過程を観察する
「親がやって欲しいことはやらないし、親の思うようにならないのが子供」
「なるべく子供の人生とか運命には介入しないようにしたい」
「親の多くは、少しばかり経験があるせいで、子供にとってより良い方法を何でも教えられると思い込んでいます。でも、そんなことはないんです。親も子もそれぞれ自分の運命を持って生まれてきているんです。だから、自分の子供にも、それをなるべく自分なりの形に実現してくれればいいなあと思います。」
***引用以上***
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by penguinophile | 2014-04-29 21:06 | 子供 | Trackback | Comments(9)
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Commented by germanmed at 2014-04-30 08:16
こんにちは。
何と言う過干渉のお姑さんでしょう!絶句です。そして、そんな電話を切らずに我慢して聞いていらしたpenguinophileさんの忍耐力に脱帽です。
そんな人には、この記事をバーンと突きつけておいて下さい。
http://www.familie-ist-zukunft.de/seite/wp-content/uploads/2012/04/boehm-faz-040412.pdf

いつから幼稚園に入れるかは、親の事情や子どもの性格にも大きく左右されますが、「早く入れない」というのは決してわがままではない、それも大切な決断で、それを享受する事を許される子どもは幸せだと私は思います。
Commented by penguinophile at 2014-05-01 05:55
germanmedさま:
これってやっぱりおかしいですよね!?他にも私の常識ではあり得ないような過干渉があまりにも正々堂々と行われるので、果たしてどちらがまともなのやらたまに自信がなくなります(苦笑)。義母は家族のために良かれと思ってやっているので、事を荒立てたくはありませんが、私にもどうしても譲れない一線はあります。

記事の紹介、どうもありがとうございます!まずは自分がしっかり読んで理論武装します。

「早く入れないのはわがままではない」と言って頂けて嬉しかったです。うちは次男だけは2歳から入園させましたが、あの時は3人目が産まれて私に余裕がなかったし、幼稚園は午前中だけだったし、何より本人がお兄ちゃんと通園したくて毎朝泣いていたので、あれはあれで正しい選択だったかなと。でももし義母の過干渉に負けて娘も2歳から入園させていたら、きっとずっと悔いが残ったと思うので、やっぱり自分の意志を貫いて良かったと思っています。
Commented by toramutti at 2014-05-01 21:42
ご無沙汰しております。

わがままじゃないですよ、もし、わがままだったとしても、それが何か?です。お二人が両親であり、お二人が納得していることをするのは当然で、それに、口だす義母様が間違っているのです。彼女には何の権利もありません。
私だったら、とっくに、「アジア人嫁で悪うごさいましたね、おつきあいいただかなくても結構ざんすよ」とたんか切っているなぁ。ペンギンさん、偉いわ。
Commented by penguinophile at 2014-05-03 07:09
toramuttiさま:
うーむ、やっぱりおかしいですよねぇ。「怒りで痩せた」とか訴えられても、そりゃお気の毒だがそもそも怒る権利はないのでは?みたいな。

私がちゃんと啖呵を切らないから余計に口出しが止まらない気もしますが、私は限界まで溜め込んでからキレるタイプなので、過干渉が続けば関係断絶は時間の問題かもしれません。義母は「誰でも私の言う事が正しいと言う!特にドイツ人なら絶対そうだ!」と断言しますが、私の周りのドイツ人は「ドイツ人嫁ならとっくに縁切りしてるよ」と言います(苦笑)。
Commented at 2014-05-05 20:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2014-05-05 20:14 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by penguinophile at 2014-05-08 06:24
鍵コメさま:
同情、お怒り、ありがとうございます~。義母の個性と批判精神の強さは自他共に認めるところで、これがドイツ標準とは言えないと思います。もともと口出しせずにはいられない性格の上に、嫁が外国人だから更にエスカレートしちゃうんでしょうね。

近況もどうもありがとうございます。全然知りませんでしたが、意外というより、妙に納得してみたり。私も危機感の欠如したお気楽OL(?)でしたが、その後も文字通り激震続きですよね。しかし分離すりゃいいってもんじゃないというか、いろいろ条件が違い過ぎて単純比較できないにせよ、ドイツの迷走ぶりも日本に負けていないような気が。トホホ。
Commented by 人鳥堂本舗 ぺん蔵 at 2014-05-11 19:35 x
誘惑に駆られて、禁断のクリックをしてしまいました・・・・・・・。

嫁と姑の仲というものは、
洋の東西や時代世代を問わない、
普遍的なテーマであるのだなぁ(苦笑)・・・・・
婿の立場から、改めてそう思いました。



Commented by penguinophile at 2014-05-14 05:48
人鳥堂本舗 ぺん蔵 さま:
禁断のクリック???
嫁姑問題ってどこにでもあるんだなぁ、って私も思いました。紛争のポイントは国によって微妙に違うような気はするんですけどね。洋の東西を問わず婿も板挟みで大変(苦笑)。
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ドイツ田舎町での地味暮らしを徒然なるままに。


by penguinophile
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