P&P, S&S

ドイツとは関係ありませんが、今日はnyf1403さんの記事に触発されて、イギリスの小説家ジェーン・オースティンのお話。と言っても、自分が読んだことのある「高慢と偏見(Pride and Prejudice)」、「分別と多感(Sense and Sensibility)」の2作品のみについてです。
ちなみに英語の原題は、内容を反映するばかりでなく、韻を踏んでいます。こういう言葉遊びには、翻訳の限界を感じてしまいます。

この2作品を、誤解を恐れず要約すれば、どちらも「田舎に住むお年頃の主人公姉妹、さてお金持ちのイイ男をゲットできるか?」という、とても現実的で少々俗物的なお話だと思います。現代の女性は、生活のために結婚しなくても「自分の食い扶持を自分で稼ぐ」という選択肢がありますが、そんな自由はなかった時代。更に、相続権が男子にしかないので、子供が女の子ばかりの場合、父親が亡くなれば財産は親戚の男性に行ってしまう(あれれ、どっかの国の皇位継承権みたい?)。ですから、当時の女性にとって、「お金持ちとの結婚」は、非常に切実な死活問題だった訳です。でもそこはやっぱり女の子、お金も必要だけど、愛のある結婚がしたいっ!・・・そういうお話。

私が最初にオースティンの世界に触れたのは、「分別と多感」の映画版「いつか晴れた日に」でした。大事件は起こらないけれども、登場人物の描写が生き生きとしており面白い。また、主人公に冷たい仕打ちをした奴も責めはしない、登場人物を見る視線が暖かい、と感じました(もっともこれは、オースティンより、脚本を書いたエマ・トンプソンに帰するところ大かもしれません)。
「高慢と偏見」は、英BBCのテレビドラマをDVDで観ました。6時間もあるのに、「ちょっとだけ」と平日の晩に観始めてしまったら、翌日は超寝不足で仕事に行く羽目になりました(笑)。BBCドラマのイメージが強過ぎたためか、最近の映画「プライドと偏見」はイマイチ楽しめず。
どの作品も、風光明媚なイギリスの景色や、当時の生活の様子など、映像としても楽しみどころ満載です。
小説は、映画/ドラマを観た後に読みましたが、結末がわかっていても、大きな事件が起こらなくても、面白くてどんどん読めてしまいました。

本を読むのも映画を観るのも好きな私(ただし詳しくはない)にとって、ドイツ語の壁はつらい。映画はテレビでも劇場でも吹替えばかりなので、当分はDVDで我慢。でも本屋に行くと、「えーい、てめーら、そのうち好きに選んで読めるようになってやるからなぁっ!それまで雁首そろえて待っていやがれぃ!」などと、汚い言葉で密かにリベンジを誓ってしまうワタクシです。
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by penguinophile | 2006-09-24 03:08 | 徒然 | Trackback(1) | Comments(19)
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Tracked from ワイン山の麓から at 2006-10-01 23:11
タイトル : 高慢と偏見・自負と偏見・Stolz und Vorurt..
penguinophileさんが、イケメンDVDコリン・ファースを眺めるDVD「高慢と偏見」BBC版DVDを貸してくださいました。 ドイツでも販売しているのですが、果たして、英語/ドイツ語字幕で見られるのかが不安で、買わずにいました。おかげで長年の夢がかない、コリン・ファース演じるミスター・ダージーを堪能しております。 私は英語での聴き取りは、単語がちらほら、「お腹がすいた」とかいう文章くらいしかわかりませんので、日本語字幕を読みながらです。この日本語訳もなんだかな〜、と思いつつ読んでいます。...... more
Commented by anthonberg at 2006-09-24 06:11
実は私も"いつか晴れた日に"の映画が大好きです!!原作も好きなのですが、あの豪華キャストの凄さ!
エマ・トンプソンってあの年齢であの役か?でしたけど彼女って最高!それにヒュー・グラントがカッコいいぃ♪
DVDを購入したのですが日本のなので置いて来ました…。悔しい!
やっぱりダーシーはコリン・ファースですよね!

ところでドイツのTVも観れるデンマーク、なぜすべて吹き替え?ですよね。いい映画もみんな吹き替え。ドイツ人の友達は『だからドイツ人は英語が出来ないのよ!』と怒っていました。彼女は絶対TVは観ないとか。英語の映画は英語でしか聴かないと徹底していました。語学学校時の友達は『ドイツ語で聞き慣れているので英語で聴くのはヘンだ。』と言うので口論しました。(笑)
Commented by nyf1403 at 2006-09-24 06:53
要約、ぴったしかんかん、ですよ〜。まさにその通り。

テレビでの映画の吹き替え、これは、まぁ、容赦します。でもねっ、映画館でどうして吹き替えるの・・あ、ドイツ人は字が読めないのか・・(いや、これ、冗談でなく、隠れた文盲ってドイツ、驚くほど多いとか。)
007でショーンコネリーを全部見ても、彼の本当の声は聞いた事がない、というドイツ人がいるんですよね。これって、損だよな〜。
だから、最近はテレビを見るよりDVDを買っちゃいますよ。これだったら、原語放送、ドイツ語字幕ができますもんね。
Commented by penguinophile at 2006-09-24 20:18
anthonbergさま:
エマ・トンプソン、「私がヒューよりずっと年上って言われるけど、1つしか違わないのよっ」と憤慨してた記憶が・・・でもあの時代ならもうすっかりいき遅れのトシには違いない(^^;。ヒュー・グランドもケイト・ウィンスレットもいいですよね。私は2作品ともDVDを持ってきましたよ。パソコンなら観られますから。

私はシュワルツェネッガーが日本語を話してるのはどうもヘンな気がしますが、コロンボ警部は「うちのかみさんが」が一番しっくりくる。要するに慣れの問題でしょうね。
Commented by penguinophile at 2006-09-24 20:37
nyf1403さま:
日本でもテレビの洋画は二ヶ国語放送が多いですよね。でもゴジラ映画がドイツ語吹替ゆえにわからないのは、ハリウッド映画より更に悔しかった!
世界的に見れば、大部分の観衆が字幕について行ける日本のような国の方が、むしろ少数派なのかも?映画は大衆娯楽ですから、皆がわからなくっちゃね。うちの夫は文盲ではありませんが、字幕を読むのは慣れてないみたいです。宮崎アニメのDVDを1人で観た時は、ドイツ語吹替を選んでました。
ショーン・コネリーのボンドは、やっぱりあのお声じゃなくっちゃ、魅力が減ってしまいますよねぇ~。ドイツ語が少しは理解できるようになっても、ハリウッド映画はやはりDVDで英語+英語字幕を選ぶかもしれません。

Commented by nyf1403 at 2006-09-24 20:37 x
日本から「旅情」とか「昼下がりの情事」のDVDを持って来たんですが、私は英語/日本語字幕で見ます。オットは、英語でわかる、わかるはずですが、慣れていないんですね〜。宮崎アニメ、うちのオットも一人で見る時は(こっちで買ったDVD)、ドイツ語吹き替えです。「千尋」に関しては、悪くはないかな、と思いますけど。

おぉ、この二作のDVD、お持ちになったんですね。コリン・ファースの「高慢と偏見」、こっちでもあるんですけど、ドイツ語吹き替えだけなんじゃないか、と不安で買えないでいるんですよ。
Commented by penguinophile at 2006-09-25 17:10
nyf1403さま:
アニメの吹替は許せても、コリン・ファースのドイツ語は聞きたくない・・・。特にMr.ダーシーには、鼻につくほど正統派の英国語で話して頂きたいものです。しかし!amazon.deで検索したら「Sprache: Deutsch」版の存在が明らかに(爆)。そうなるとむしろUK IMPORT版の字幕詳細が気になるところですが、聴覚障害者向けの英語のみという可能性も。とりあえず買う程でもないとか、日本語字幕がお好みとかでしたら、喜んでお貸ししますよん。

ドイツでは、ハリウッド映画のDVDが、TVガイドの付録についていたり、激安で売っていたりするのに、吹替だけ。腹立たしいと同時に腑に落ちません。日本で買った500円の「カサブランカ」が英語音声+日本語字幕のみなのは、予算節約という意味でよく理解できるのですが。
Commented by ちえ at 2006-09-25 18:09 x
P & P のコリン・ファースの Mr. Darcy を DVD で見てはまりました。でもこっちの DVD は英語字幕がついていなくって、英国英語に慣れてない私にはとってもきつかった。それからは常に私の Mr. Darcyはどこ?と叫んでいるので私の友達はもう耳ダコ状態。amazon.com を見ていたら、P & Pその後というポルノがあったので買ったんだけど、いやー笑えるのなんのって。もちろんそんな本は邦訳されていないので、原語を読める醍醐味を味わいました。
映画は公開日に見に行ったら、満席でティーンージャーを中心とした女の子たちが夢中になってキャーキャー騒いで見ていて、一緒になって叫んだりしてすごく楽しかった。アメリカのティーンエージャーがジェーン・オースティンをあんなに楽しんでいるというのはいいなと思った。
ジェーン・オースティンが元になっている Bridget Jones's Diaryもめちゃくちゃ可笑しくって、それもやっぱりぜったい英語でなければわからない可笑しさ。
Commented by ちえ at 2006-09-25 18:10 x
その2
「千と千尋」は日本語+英語字幕で見た事のあるアメリカ人は日本語の吹き替えの方がいいと言っていた。私もぜったいそうだと思った。だってハクの声が声変わりしちゃっているんだもの。ハウルは絶対日本語で見たかったんだけど、そもそもやっている映画館が少なかったので、英語で見ました。日本で DVD 発売と同時に輸入したけどね。
ハウルを見た映画館では Brokeback Mountainも見たんだけど、はっきり言って映画の間中私の頭の中は疑問符だらけ。だってウィスコンシン英語全くわかんないんだもの。あれはアメリカ人でもわからない人がいるという話。同じ日に続け様に Nanny McPheeを見るはめになったんだけど、今度は逆にあまりにもわかりやすい英国英語に感動しました。おなじ米国内なのに。
Commented by ちえ at 2006-09-25 18:11 x
その3
でも字幕もよしあしで、なんか最近日本のものの英語字幕付き海賊版を見る事が多くって、しょっちゅうその翻訳の酷さに驚かされる。しまいにはあまりのむかつきに見れなくなってしまう事もある。二人の友達と一緒に今週日本で放映が終わったアニメにハマってたんだけど、日本語が出来るのは私だけなので、字幕なしで先に見てしまえる私を英語字幕版が出るまで待たなければならない二人はとてもうらやましがっていた。でも字幕が出てもひどくって、私が説明しないとわからないこともけっこうあった。でもその内の一人は私が日本語を出来るのを凄くうらやましがっているけど、北京語も広東語もできる彼が私は羨ましい。中国映画「十面埋伏/House of Flying Daggers」を日本語字幕で見たい。ちょっと中国語字幕でみたら、その方が英語字幕よりずっと伝わってきた。邦題はちょっと英語的に見たら凄すぎるんだけどね。
できれば欧米ものは欧米語で、アジアものはアジア語で味わいたいものです。
Commented by ちえ at 2006-09-25 18:32 x
なすちゃんは、その内トーマス・マンとかゲーテとかもドイツ原語で読めるようになってください。
トーマス・マンは欧米ものはできるだけ欧米語で読むつもりでいる私も、英語は挫折しました。ので新潮文庫の日本語版を読んだんだけど、昔の翻訳者の力量に感服しました。アマゾンジャパンの翻訳物のコメントには翻訳の悪口ばっかり書かれているけど、今もこんなすごい翻訳できる人っているのかな。ていうか日本人全体の日本語力自体が以前に比べて落ちていて、それが翻訳の世界にも現れてきてしまっている気もするけど。
Commented by cazorla at 2006-09-26 01:53
昔 て三十年くらい前オースティンは文学として古いといわれ ジェイン・エアは文学だが(トルストイも選んだ)オースティンは 文学ではない と言われ 絶版になりそうだったのに今ではまた復活しているようですね。
私も その当時読みました。
Commented at 2006-09-26 03:47
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by penguinophile at 2006-09-26 20:33
ちえ様:
長コメ4連発、どうもです。さてはexblogに字数を減らせと怒られたでしょ?好きになったらまっしぐら~の一途乙女オタク魂(?)、ご健在のようで何よりです(爆)。英語/日本語ではなく、欧米語/アジア語とくるか、なるほど。
いくら英語が聞きづらくても、Mr.ダーシーに米語を話して欲しいとは思わないでしょ?っていうか私が許しません!P&P後日談ポルノは、なんかあんまり読みたくないなぁ。
トーマス・マンやゲーテは・・・遠すぎて見えません(^^;。現在の目標はミヒャエル・エンデ「はてしない物語」(邦訳は読み損ねたまま・・・どこ行ったよ、アレ?)。「いつか読めるようになりたい」とぼやいていたら、夫がフリマで見つけて買ってくれました(1ユーロだった。ラッキー♪)。

Commented by penguinophile at 2006-09-26 20:41
cazorlaさま:
「文学として古い」なんて言われていたんですか!うう~む、どういう意味で古いのか・・・???
英文学者の視点で「正しい文学」であろうがなかろうが、私個人的にはとても面白く読んだ作品だったので、絶版になっておらずラッキーでした。
Commented by penguinophile at 2006-09-26 20:41
鍵コメさま:
了解です~
Commented by ちえ at 2006-09-27 02:46 x
荒らしみたいな真似してごめんなさい。反省しています。
ところでコリン・ファースの P & P のアメリカ版には英語を含めてなんの字幕もありませんでした。ので苦労した。だから、英国版にも無い可能性が高いかも。
Commented by penguinophile at 2006-09-28 00:39
ちえ さま:
いや、別に荒らされたとは感じてないので、反省してくれなくてもいいんだけど、「いやぁ、相変わらずのパワーだぜ」ってちょっとニヤニヤしてしまったよ。
音声と同言語の字幕は、ノンネイティブには有難いけど、そのために単価が上がったらネイティブにはむしろ迷惑な話だから、しょうがないね・・・
Commented by ちえ at 2006-09-28 03:12 x
シリコンバレーなんてオタクのメッカみたいなところに居るはずに、女のオタク/geek に会ったのはあなたが初めてだとよく言われます。あんただけには言われたくないという人を含めて。
Commented by penguinophile at 2006-09-28 22:09
ちえ さま:
シリコンバレーオタク連の公認オタク女っていったい(爆)。geekって辞書ひいちゃったよ。なんというか、かなりイっちゃってる単語ですね・・・
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ドイツ田舎町での地味暮らしを徒然なるままに。


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