DVDレンタル価格

ドイツの物価、全体的には日本と比べて特に高いとは思いませんが、たまに驚くほど高いものがあります。例えばDVDのレンタル。

ドイツの映画は、劇場公開もテレビ放映もドイツ語吹替ばかりで、この馬にとっては念仏ほどの有難みもございません。ドイツで販売されているDVDに関しては、「オリジナル音声が入っていない」「内容がカットされている」「英語字幕がない」可能性あり、との恐怖警告をnyf1403さんから頂いておりますが、それでも映画を楽しむにはDVDに頼らざるを得ないのが現状です。そこでレンタルについて調べてみたら、これがちょっとオイオイというお値段でした・・・。

この田舎町にあるいわゆるフツーのレンタル屋さんは、小さいのが一軒だけですが、そこでは1枚あたり1泊2日で3ユーロ(約450円)。
この値段を見た時は「えぇーっ!?」と思いましたよ。だって日本だったら7泊8日で380円、更に週に一度は半額デーがあったりしませんか?・・・って我ながら妙に細かいですが(笑)、たった1泊のお値段が、日本の1週間より高いなんて、そんな殺生な~。

もう一軒、貸出・返却が全て機械式の店があるので、先日そちらの会員になってみました。ちなみにこの店では、レンタル時の本人確認は、機械が指紋をスキャンして行うシステムになっています。たかがDVDレンタルに指紋スキャンとは、なんだか近未来に突入した気分です。
この店は最低料金69セント(約104円)ですが、これはなんとたった3時間の料金です。「よーい、ドン!で借りる→観る→ダッシュで返却」しないと間に合いません。DVDに特典映像が含まれていても、観る時間なんかありゃしない。一泊借りれば3ユーロ以上かかってしまいます。
しかも、インターネット予約サービスに期待していたのに、肝心の品揃えがかなりダメダメっぽい。「シリーズなのに全巻揃ってないなんて、一体全体どーゆーコトよ?」状態。トホホ。

市立図書館にもDVDレンタルサービスがあります。こちらは1週間借りられて1ユーロと、他に比べれば極めて良心的なお値段です。
ただしその他に、図書館の年会費12ユーロ(約1800円)がかかります。1ヶ月あたり1ユーロと考えれば、大した金額ではないのでしょうが、私の常識では「公立図書館は、コピー代実費負担以外は、基本的に無料」がずっと当たり前だったので、年会費を払わないと本も借りられないのは、なんだか損した気分。ドイツは税金が高い分、公共サービスは充実しているかと思いきや、ちょっと期待はずれの感あり。夫が子供の頃は、年会費などなかったそうですが。
ちなみに本の貸し出しに関しては、カソリック系の図書館も別にあるのですが、そちらは規模が小さく、英語の本は全く置いてありません。

DVDは一回さらっと見たら十分という人も多いでしょうが、私はどちらかと言うと、「時間の無駄」と感じた作品以外は、せっかく借りたら何回か繰り返して見たいタイプ。英語作品の場合は、オリジナル音声+英語字幕で観ますが、ドイツ語よりマシとはいえやはり歴然たる言葉の壁がありますから、鑑賞二回目にして気付く事も結構あったりします。
そんな私には、amazon.deのDVDレンタルサービスが向いているのかもしれません。こちらは1ヶ月2枚で7.99ユーロ(約1199円)。送料込みだし、ゆっくり観られるという点を考慮すれば、決して高くない。でも「日本のレンタル屋で半額デーだったら、6枚借りられる値段なのに・・・」と考えちゃうと、やっぱ高いよぉ~(>_<)。




夫不在の秋の夜長、日本を発つ直前に買った「アポロ13」のDVD(10thアニバーサリー スペシャル・エディション)を観ました。
この作品が好きだと女友達に言ったら、「やっぱり男らしい」と妙な感心をされた事があります。でも確かにそうかもしれません。家族愛ドラマ的な側面を評価している訳ではないので。
以下、感想を書き始めたら、妙に力が入って、やたらと長くなってしまいました・・・興味のある方だけどうぞ(^^;。

アポロ11号が人類初の月面着陸を果たした翌年、アポロ13号が打ち上げられました。「宇宙開発分野でソ連に追いつけ追い越せ!」という、アメリカの威信を掛けた政治的な大義名分が失われた後の、世間の注目度は低いミッション。宇宙船から乗組員が語りかける生中継も、放映するテレビ局は一つもありませんでした。
しかし、月へ向かう途中で、突然爆発音が響き、機体が揺れる。原因も損傷状況も明らかではないまま、酸素も電力も足りず、絶体絶命の状態に陥っていくアポロ13号。
果たして3人の乗組員の運命やいかに?・・・そういうお話です。
もちろん映画用に脚色されている部分は多々あるものの、基本的には実話に基づいています。

飛び交う専門用語が全然わからなくても、
「いや、フツーに考えれば、この人達、絶対もう死んでるって!」
と言いたくなるほど危機的な事態が、次から次へと起こっている事は、よくわかるように出来ています。だって、宇宙空間で酸素と電力がなくなっちゃうんですよ?こんな状況では、むしろ生きて帰れたことの方が奇跡だ!・・・そう素直に思えます。
でも私が好きなのは、彼らが神頼みで奇跡を待っていた訳では決してない、ということ。次々と問題が発生する究極のストレス状況下で、宇宙船でもNASA管制センターでも、不眠不休の努力が続けられる。個人的感情を抑え、「乗組員を無事に地球へ帰す」という非常に困難な目標に向かって、全員がプロに徹して体力知力の限りまで絞り切った。努力と幸運が重なった結果、ようやく得られた「奇跡の生還」なんです。

"Houston, we have a problem." 「ヒューストン、問題発生」
最初の異常発生時に、乗組員が管制センターに向けて発した言葉です。DVDの特典には、この時の実際の記録映像や関係者インタビューも入っています。乗組員の心拍数は急上昇していましたが、交信口調はあくまでも冷静沈着。
映画では、乗組員の間に不協和音が生じるシーンがありますが、これはストレスフルな状況を示し観客の共感を誘うために作られたエピソードらしいです。私個人的には、共感するどころか、「なんだか安っぽい演出だなぁ」と、むしろ不愉快に感じちゃいましたが。
こんな演出に割く時間があったら入れて欲しかったのが、乗組員から管制センターへの感謝の言葉("I know all of you here want to thank all you guys down there for the very fine job you did.")。船長が他の乗組員に決め台詞を言うシーンはあるだけに、地上スタッフが軽視されているようで、ちょっと納得いきません。

主役(ジム・ラヴェル船長)を演じたのは、トム・ハンクスです。別に特にイケメンだとは思いませんが(笑)、結構好きな俳優さんです。DVD特典映像で、本物のジム・ラヴェル船長が、「若い頃の自分は、むしろケヴィン・コスナーに似ていた」と言っていますが、確かに横顔がかなり似ています。この船長夫妻は、映画にも端役で出演しています。アポロ打ち上げを見物する観客の中に奥様を探していたワタクシ、なぜか代わりに着物+サングラス姿の女性を見つけてしまいました(^^;。
私がこの映画で一番「うわぁ~っ、かっこいい~っ!」と思うのは、首席管制官(ジーン・クランツ)を演じたエド・ハリスです。あまり派手さはありませんが、重い責任を背負い自分の信じる道を貫く男を演じると、ダントツに光る俳優さんだと思います。
若き宇宙飛行士を演じたケヴィン・ベーコンも、私はそれなりに好き。でも以前母にそう言ったら、「あなたは面食いじゃないのね」と言われてしまいましたが・・・あの人の顔、そんなにヘンですかね?

米ワシントンDCに行った時、国立航空宇宙博物館で、アポロ11号の司令船を見ました。明治アポロチョコの形です(笑)。実物は、想像していたより狭い上に、作りもえらくちゃっちーい感じで、
「こんなので宇宙なんか飛んじゃって、ホントに大丈夫なのぉ?」
と、他人事でしかも過去の事ながら、心配になってしまうような代物でした。閉所恐怖症の人には絶対無理(当たり前か)。
「アポロの月面着陸はでっちあげだ!」という説もありますが、まぁここではそれはとりあえず横に置いておきましょう。あの博物館でありがたがって触った月の石が、「実はただの地球の石ころだもんね~」ってのは、なんだかちょっと寂しいですしね(笑)。

ちょっと話がそれますが、アポロ11号月面着陸は、日本で同時通訳が大いに注目されるきっかけとなりました。ヒューストンとの交信をNHKで通訳した西山千さんが一躍有名になり、同時通訳者が憧れの職業になったそうです。
アポロ11号アームストロング船長の、あの言葉。
"That's one small step for [a] man, one giant leap for mankind." 「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ。」
最初のaが括弧に入っているのは、アームストロング船長が言い落としたためだとか(その後NASAは通信状態のせいだと説明したらしい)。日本人から見れば、「たかが冠詞の一つや二つ、どうって事ないでしょ」と言いたくなる程度の違いです(冠詞が苦手な私としては、どうって事ないと思いたい!)。しかし、冠詞というのは実にあなどり難くやっかいな代物でして、不定冠詞がついた"a man"は「1人の人間」ですが、無冠詞の"man"は"mankind"と同じく「人類」という意味になります。そこで、生中継の同時通訳中に、この決定的な"a"が聞こえなかった西山さんは、前半の主語も「人類」と訳してしまった、という逸話が残っています。
日本の同時通訳者の草分け的存在である西山千先生による、伝説の名通訳を、私も聞いてみたかったものです。
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Tracked from デンな生活 at 2006-10-27 20:10
タイトル : DVDレンタル価格比較
penguinophileさんがドイツのDVDレンタル価格について語っています。1泊2日で3ユーロ(450円)だそうです。デンマークって一応ブロックバスターと呼ばれるビデオレンタル(今はDVDレンタルって言うのかな?)があるんです。しかし大きな街にしかないし、私の今いる田舎にはレンタル屋なんてないんです。ちょっと歩いたところにガソリンスタンドがあり、その中に少しだけありますが、半分は子供向けのアニメなんかです。それに新作よりエロDVDの方が多いんじゃないか?!と思うくらいアダルト系もあります。 ...... more
Commented by nyf1403 at 2006-10-27 14:52 x
おはようございます。
日本でDVDレンタル未経験だから、アマゾンのが高いとは思わなかったです。でも、日本円にすると確かに高いですね。
うちの近くの貸しDVD屋は、たいしたものが置いていないんですよ。だから、アマゾンにして満足しています。そして、そこも一泊二日の値段で宣伝していて、一日延びるとぐんと高くなるし。入会金なんてのも必要。アマゾンも3枚、4枚となると、割安になるのかな。
返すのがらくです。ポストへいれるだけ。
Commented by nyf1403 at 2006-10-27 14:53 x
書き忘れ
覚えてはいませんが、この伝説の名通訳、私聴いたんですよ。小学生で、起きて観たはずです。
Commented by anthonberg at 2006-10-27 20:29
ぐふっ!TB行きました〜。
アマゾンなんてないデンマーク!観たい新作がたくさんあるのに高いのですっごく悲しいです。映画好きにはドイツは辛いですよ。だってドイツ語吹き替えとかドイツ語のみの字幕とか本当にドイツ語が出来なかったら厳し過ぎる。ドイツ語吹き替えの方がいいって言うドイツ人に『真の映画好きではなーい!』と説教した事があります。(笑)ドイツのTVを観ているとすべて吹き替えですね!観たい映画も『あ、ドイツ語…』と思って諦める。ドイツで生活している外国人は大変だろうなぁと思います。
Commented by anthonberg at 2006-10-27 20:29
またexciteに怒られちゃった。(笑)

あ、アポロ13!私も観ました、この映画。基本的にアメリカの大作はイマイチですが、実話を元にした話は好きです。トム・ハンクスはこういう映画にぴったりですよね。あの映画いい俳優ばかり!ゲイリー・シニーズもいい味出していますよ♪ケヴィン・ベーコンって難しい!何て言っていいかわからないけれど、カッコいいのは雰囲気とか出て来るオーラとかであって決して顔の作りは美形ではないですよね?でも私は若い時よりだんだん歳を重ねた彼が好き!"インビジブル"なんて映画はつまらないけれど彼は凄くカッコ良かったです。←透明だけど〜。(笑)

基本的に私の考えでは『人間が月に行く、火星に行く』は夢で終わって欲しい事なんです。現実になってしまうと次の夢を探してまた凄い事をしようとなってしまう。月も火星も遠くにあるから素敵なんだけどなー、と思います。UFO系の話は結構好きですが…矛盾を感じてしまった。(笑)
アームストロング氏の訳の話、聞いた事があったけどそういう事だったのですか!いやいや、またまた勉強になりました。
確かにa一つで全然違うんですよね。でも同時通訳、『今何て言いました?』とは聞けませんから。(苦笑)
Commented by penguinophile at 2006-10-27 22:56
nyf1403さま:
アマゾンのサービスは、品揃えと日数が魅力です。返すのが楽なのもポイント高い。日本と比べるからいかんのだな・・・腹をくくろう(大袈裟な)。
おぉ、記憶はなくてもギリギリ生体験世代ですね。小学生がわざわざ起きて観る事が許されたという事は、やっぱり日本でも大ニュースだったんですよねぇ。
Commented by penguinophile at 2006-10-27 23:10
anthonbergさま:
TBどうもです!もしかして初挑戦?

>観たい映画も『あ、ドイツ語…』と思って諦める。
     ↑
これ、非常に頻繁にあります(涙)。

この映画、もし実話に基づいていなかったら、「所詮作られたパニックもの」とさめた目で観ていたと思います。
ゲイリー・シニーズはこの作品で知りました。結構美味しい役ですよね。ケヴィン・ベーコン、確かにオーラがカッコイイのかも。

アポロ計画には、良くも悪くも「科学万能時代の強く正しいアメリカ。月に最初に行くのは俺達だぜ!」という匂いを感じます。国の威信の前では、「遠くにあるから素敵」というロマンは通用しないのでしょう。結局のところ、科学技術の大躍進は、戦争や競争と切っても切り離せないのかな・・・。
Commented by nyf1403 at 2006-10-27 23:20
そうそう、腹をくくってください。
ドイツでも、映画館での吹き替え問題(大げさか)、話題になっていることもあります。前にラジオの議論番組で話していました。
でも、ドイツ人は、こういうものと思って生きている(これまた大げさにゃ)から、変わらんでしょう。でも、その俳優、好きな俳優の声を聴かなくて平気、というのが私には理解できんですな。

大きい街では英語オリジナル、ドイツ語字幕という映画館もあったりするようです。オットは、今日、フェルメールを13年生に見せたんですが、吹き替えで見せたそうですよ。まったくね〜。
Commented by penguinophile at 2006-10-28 00:34
nyf1403さま:
映画館での吹替え問題、私には大袈裟じゃなく問題だし、ドイツでもどんどん話題にして欲しいものです。ドイツ人は字幕に慣れてない人が多いので、全部変えろとは言いません。でも例えば日本のディズニー映画のように、英語版と日本語版の両方を普通に上映して欲しいです。

私の住んでいる町には映画館はありません。そう遠くない所にあるシネコン?の上映情報を調べたけど、全部ドイツ語でした。今検索してみたら、どうやらケルンまで行けばオリジナル音声で上映している映画館があるらしい?期待!
by penguinophile | 2006-10-27 05:47 | 徒然 | Trackback(1) | Comments(8)