春の詩会

先週末から週明けにかけて、夫の家族と行動を共にしておりました。親戚宅回りに始まり家事指導に終わった48時間で、通常の1ヶ月分くらい疲弊したような気がいたします。結婚相手の家族に気を遣ったり習慣の違いにとまどったりは、国際結婚でなくとも多かれ少なかれあると思いますが、それに加えて私の場合、
「やっぱりドイツ人とドイツ語で話すのはしんどい。」のでありました・・・あぁ、一週前とのギャップが激しい(^^;;。
自分に向けられた話題だけは何とかこなすものの、あとは集中力が続かない&どうせほとんどワケわからん馬耳東風状態で、曖昧なジャパニーズスマイルを浮かべて固まっていると、徐々にコケシ化しそうです。

今回のきっかけは、風流にも「詩の会」でした。夫の母は詩の同好会に入っており、以前にも同好会のメンバーが自作の詩を発表する会が、教会で開催された事があります。今回は、義両親が住んでいる町のレストランで月に一度行われている文化行事の一環として企画されたもので、「春」をテーマとして、お客様に料理を楽しんで頂く傍ら義母が有名な詩や自作の詩を紹介する、という趣向でした。

それなりにお洒落な雰囲気のレストランで、約50席が満員御礼。私の隣に座ったのは、元文学少女といった雰囲気の女性で、春を題材とした自作の俳句を披露なさいました。いったいどこが俳句なのやら、耳で聞いている時はわかりませんでしたが、後で原稿を見せてもらったところ、5・7・5音節のつながりから構成されていました。なんでも「ケルン日本文化会館でたまたま俳句に触れ、短い中に自然美を凝縮して表現する形に惚れ込んだ」のだとか(←聞き取り3%+想像97%による推定)。「5・7・5に7・7を付けた短歌という形もありますよ」などと、インチキ日本文化を吹き込んでおきました。

俳句と言えば、「古池や 蛙飛び込む 水の音」の英訳版は、蛙が複数形になり、多数の蛙が次々池に飛び込むという、侘び寂びどころかかなり賑やかな情景である、と聞いたことがあります。
実は今回、義母に「日本にも春の詩はあるのか」と問われ、私が咄嗟に思いついたのは、「願わくば 花の下にて 春死なん この如月の 望月の頃」の一句だけでした。この日本的美学をドイツ語で説明してドイツ人に理解してもらうのは至難の業なので、意味を聞かれなくて助かりました。
 
日本語の詩でさえ馬の耳に念仏状態の私に、ドイツ語の詩の美しさなど堪能できるはずもなく、「詩の会」にもかかわらず食い気に走る事になります。春のスープ(Frühlingssuppe)と季節のサラダ(Salat der Saison)に続いて出されたメインの料理は七面鳥(Puten)でした↓
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ちなみに七面鳥は、スーパーでも気軽に入手できる食材です。ハーブを散らした盛り付けがしてあるあたり、洒落ている部類に入るのでしょう。ちなみに中央左に横たわっている緑の葉がベアラウフ。日本語にすると行者ニンニクかクマネギでしょうか?ニラに似た風味がある、春の食材です。先日朝市で買って、卵とじにしたりソーセージと炒めたりしたところ、とても美味しかったです。
この日のディナーは、フルーツサラダ(Obstsalat)で締め括られました。4品のコースで一人当たり25ユーロ也(約3875円)。

夫の祖母の家や叔母の家も訪ねたりと、何かと慌しい日程だったのですが、それでもしっかり毎日必ずお散歩。散歩はもはや習慣や趣味の域を超え、「お散歩きら~い」とか言ったら人間扱いされないのでは?という危惧すら抱きます。いや、私はお散歩は好きなんですが、「雨が降ろうが槍が降ろうが競歩に勤しむべし」というゲルマン人根性とはほど遠いのであります。幸い今回はお天気に恵まれ、桜も見られました。お堀端の桜なんて、妙に日本っぽいですよね↓
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最後の2枚は、レストランの真向かいにあった桜で、詩の会では「日本の桜」と紹介されていましたが、花びらの数も形もソメイヨシノとは違ったように思います。
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by penguinophile | 2007-04-04 22:21 | お出かけ | Trackback | Comments(16)
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Commented at 2007-04-04 22:42 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by penguinophile at 2007-04-05 00:46
鍵コメさま:
渡独後10ヶ月が経過し、ドイツ語はさっぱり上達しておりません(スタートがゼロなので後退しないのだけが救い)が、想像力だけは逞しくなったかもしれませぬ・・・。

写真だと色が実際と違って見えるかもしれませんが、確かにドイツの桜はソメイヨシノよりも少し色が濃いような気がします。最後の2枚の写真の桜は、これまで見た中では一番ソメイヨシノに近い雰囲気でしたが、なにせ花びらの枚数が違ったので、明らかに別モノでしょう。
日本のお花見は、桜そのものが素晴らしいのはもちろんですが、お天気を皆で気にしてソワソワしたり名所を訪れる習慣も含めて「文化」だなぁ、と思います。そして遠いドイツの桜を見る私の脳裏に去来するのは、「お弁当担当」「お茶担当」「レジャーシート&クッション担当」と張り切った「お花見強化週間」の思い出なのでした。
Commented by anthonberg at 2007-04-05 02:31
痛い程わかります、同志よ!(苦笑)
本当に想像力はつきましたよ、全部わかっていないけど、単語ちょっと掴んだら頭の回転があれこれと回ってあぁこんな話かも〜と想像する。これでいいのか?(^^;)
私もデン語全然上達していません。私もスタートが0だったからそこから比べたら『上達』しているんだけど、それを周囲に言われて大丈夫〜とか言われるとねぇ…って思いません?
桜きれいですね〜。何かこっちはまだまだな気がします、って桜があるのかどうかもわからないけど。(苦笑)夫の両親宅に桜の木がある!と夫が言っているので訪ねる事になる可能性大です。私も試練が待っているような…。(^^;;;
お互い異国に嫁いだ遅い新婚(まだ新婚?)ですし何か痛い程わかるー。傷の舐め合いはいかんが、ちょっとpenguinophileさんの辛い気持ちを舐めたので、回復している事を祈ります。(^^;;
Commented by raquel_2006 at 2007-04-05 03:29
詩の会とはまた風流な。ただでさえドイツ人の集まりに入ると私もコケシ化するのに、テーマが春の詩とかいったらもうミイラですね。でもどんなに言葉がわからなくても、食べ物の話とか料理の話だと万国共通女同士って話がつうじるのですよね。不思議。

よくがんばったと思います。日本女子の面目を保ったよ!私が何か詩を知っているかときかれたら、ゲーテの野中のバラを日本語で詩って「ゲーテの詩を日本語で暗記しています」といったらほめてもらえるかな?
Commented by akberlin at 2007-04-05 05:00
ああ〜、わかります、ドイツ人に囲まれて頭の上をドイツ語が素通りして
行く・・・私もずいぶん、そういうのがありました。でも慣れですよ、慣れ!
ベルリンに着いたばっかりのころ、相方の同僚のパーティーに行くたびに
「ああ〜、お願いだから話しかけないで〜」と思ってたことも。
慣れないうちはスタミナが続かず、宴もたけなわの23時頃に帰りたく
なって、相方は後ろ髪を引かれる思いみたいなところを無理に連れて
帰ったりしてました・・・。

それにしても美しい桜!サクラ!さくら!いいお花見でしたね。
Commented by nyf1403 at 2007-04-05 06:41 x
Leidensgenosseです〜。一緒に苦しむものですわよ、わたくし達。
私も20年前は辛かった。座っていてい、うるうる来そうになったし、必ず不機嫌になりました、そのあとで。八つ当たりはすべて猪之助へ。よく、耐えたよな〜、この人。愛は強しでしょうか、あっはっは。
でもね、いつか、へっちゃらというか、わからなくても、ちっともかまいませ〜ん、ってなりますから。(いや、それはオカアタンの面の皮が厚いってだけだにゃ。)
だって、まだ一年もいないんだし、わからなくてもいいじゃん、のスタンスです。自分をいじめる必要はござんせん。嫁入り先輩が100%保証しますし、責任とりますよ。いつか、ドイツ人を押しのけてしゃべり倒すようになれますって。(だから、オカアタンとペンギンおねぃちゃんを一緒にするのは、よくにゃいって、ボクは言いたいの。by虎)
Commented by MOMO at 2007-04-05 16:00 x
だから、ドイツ嫁入り大和撫子会を発足したのよ~!!!
思いっきり日本語をしゃべって、ドイツ産の旦那と一緒だったら食べに行かないものを食べて、あああ・・・スッキリしたって!!!
Commented by penguinophile at 2007-04-05 21:14
anthonbergさま:
若くない海外嫁入り同志にはきっとわかってもらえると思いました~(爆)。
ドイツ語、さすがにスタートよりは上達してるでしょうが、初対面の元文学少女に出身地と滞独期間を聞かれて答えた後、「10ヶ月でもうずいぶん話せるのね!」と言われた時は、「会話集の1ページ目に載ってそうな表現で褒められても・・・」と苦笑しちゃいましたよ。
お陰様で、台風一過の後、一時間くらい一人で呆けてから復活しました。しかしその後、義母に「大丈夫よ」と洗濯機に放り込まれた私のセーターが子供用サイズになって発掘された時は、何やらドッときましたさ(--;
Commented by 東風 at 2007-04-05 21:22 x
ドイツ嫁入り大和撫子会やデンマーク嫁入り大和撫子会員のみなさんとは立場が違うので、励ましは安易すぎるような気がするので控えますが、春の歌といったらパっと思い浮かぶものがあるなんて、本当にpenguinophileさんってステキだなと思いました。
今日は、久しぶりに本屋へ寄ることができ、絵本コーナーで何冊かのペンギンものを見て、penguinophileさん、持っているかなーと思ってました。その気持ちを伝えます!
Commented by penguinophile at 2007-04-05 21:23
ラケルさま:
コケシを通り越してミイラって(爆)。でも食べ物&薀蓄講義の「詩の会」の方が、途中でいきなり話題を振られる危険がある普通の会話よりラクチンでしたわー。

ゲーテの詩の日本語版は絶対受けると思いますよ!「ドイツの偉大な詩人は、極東でも有名だ」と、ドイツ人のプライドをくすぐる事、請け合い。そういえば私もミニヨンの一節を漫画から覚えてましたっけ。
Commented by penguinophile at 2007-04-05 21:29
akberlinさま:
akberlinさんも、スタミナが続かなかったご経験が・・・慣れればラクになってきますかね?なんだか自分の場合、「慣れてわかるようになる」のではなく、「慣れてわからなくても平気になる」可能性が非常に高い気がします(^^;;
ミニお花見ができて嬉しかったです。でも桜の下でもゲルマン人は長足競歩で進んでしまうので、なかなか立ち止まってゆっくり堪能できなかったのが、ちと残念でしたわ。
Commented by penguinophile at 2007-04-05 21:40
nyf1403さま:
やはりnyf先輩にもうるうる不機嫌時代がございましたか・・・誰もが一度は通る道♪ 間に入る夫も気の毒ですが、愛は強しで頑張って頂きましょう!
実はたまに「あんまりわかんない位でちょうどいいのカモ」と思ってしまう事もあったりして・・・(^^;;;
Commented by penguinophile at 2007-04-05 21:42
MOMOさま:
なるほどぉ~、って妙に納得したりして。ストレス発散の場は必要ですよね。それじゃ次は激辛料理か納豆&梅干か(笑)。
Commented by penguinophile at 2007-04-05 21:46
東風さま:
日本からの励まし、どうもありがとうございます。ペンギン絵本に乗せたお気持ち、がっちり受け止めましたとも!
ステキだなんて、お褒め頂き恐縮です~。でもテーマが「死」では、独逸産超ポジティブ詩人の義母には、「そーんな辛気臭い詩、ダメダメ」と一蹴されちまいそうですわい。
Commented by ラメ at 2007-04-09 06:01 x
あ~、不肖私も外国人嫁入りの皆様同様、日本海溝のように深く同意しました。。私も毎回こけしです(成長しなさすぎ)
まだ10ヶ月ですもの!今が一番大変な時だと思います。
それにしても、春の歌と言われて即座にそんな美しい詩が思い浮かぶなんて、さすが大和撫子ですわ♡
Commented by penguinophile at 2007-04-11 02:18
ラメさま:
あぁ、コケシ仲間がまた一人・・・お互い強く生きましょう!(?)
お褒め頂き恐縮です~。この歌、私は好きなんですけど、「蛙ボチャボチャ」にしろ「桜の下で死亡」にしろ、例え言葉の壁がなくてもかなり説明しにくそうですよねぇ。
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ドイツ田舎町での地味暮らしを徒然なるままに。


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