ドイツの育児支援策

ドイツで日本人向けのお店に入ると「ニュースダイジェスト」という週刊フリーペーパーを見かけることがあります。ドイツや日本に関する情報が日本語で読めるので、見かけるともらってきます。その6/29号に、親なりたてホヤホヤの身としてはちょっと気になる記事がいくつかありました。

○出産後の女性に厳しい勤務環境-北欧諸国との対比が鮮明に(p.2)
 「ドイツの女性は他の欧州諸国と比べ出産後に仕事を続けにくい環境にある」という内容です。以下は記事中のデータ。
(a)15~64歳の女性のうち働いている人の割合
  スウェーデン71.9%、デンマーク70.8%、ドイツ59.6%
(b)女性一人当たりが産む子供の数
  スウェーデン1.77人、デンマーク1.80人、ドイツ1.36人
(c)3歳未満の子供100人のうち保育所で受け入れ可能な人数
  デンマーク61.7人、スウェーデン39.5人、フィンランド35人、ドイツ9人
ドイツの学校は午前中で終わるので共働きがしにくそう、とは以前にも書きましたが(1/28記事参照)、上記データでは特に(c)に驚かされました。幼児の9%しか保育所で受け入れられないなんて、ちょっとひどい状況だと思いませんか?

○Elternzeit(育児期間)(p.3)
 「育児のために職場休暇が認められる期間」に関する説明記事です。私が気になったのは、「両親ともが同時に取ることのできる育児休暇期間は最高3年」という記述です。
と言いますのも、確か日本の制度では、配偶者が子を養育できる状態にある労働者は、労使協定で育児休職の対象外にできる、つまり「両親が同時期に育児休職を取る権利は、法律で保証されていない」からです。という訳で、この点に関してはドイツの方が選択肢が広いのかも。
ちなみに日本の「介護休職」は、他の家族の状況にかかわらず取得でき、その理由は「子供の世話は基本的に大人一人で出来るが、介護はそうとは限らないから」と読んだような記憶があります。

○仕事を持つ両親を支援する「両親手当」の導入で、育児休暇を取る父親が3.5%から7%に倍増(p.3)
 「両親手当」は、おそらくElterngeldの訳語だと思います。出産・育児のため休職する親に対して、1年間に渡り最終給与の67%(上限1800ユーロ/月)を国が補償する、という制度です。2007年1月1日以降に産まれた子供が対象になるというので、昨年末に子供が生まれて悔しがる女性がテレビに出ていました。ニュースダイジェストの関連記事はこちら
・・・と、まるで他人事のように書きましたが、このElterngeld制度は出産前に働いていなかった女性にも適用されるらしく、実は私も最低額の月300ユーロが頂けるらしいです(なんだかよくわからないけどラッキー!?)。オッパイ&おむつに忙殺された頭カラッポ状態で、夫の書いてくれた申請書類にめくらサインしました(^^;。

ところで、「ケルンのモスク論争」(p.5)という記事で、内容とは全然関係ないんですが、
「(前略)・・・ジョルダーノはこの問題に関連して、「ベールで全身を覆った女性は、ペンギンのようだ」と述べ、イスラム教徒から「差別的発言だ」と批判された・・・(後略)」
というくだりを読んで、「”ペンギンのよう”って差別的発言なんだ?」とか思ってしまいました。もし私が言われたら、うっかり喜んでしまうカモ?(^^;
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by penguinophile | 2007-07-06 05:16 | 子供 | Trackback | Comments(12)
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Commented by akberlin at 2007-07-06 06:45
ベールで全身は覆っていませんがスカーフ姿の女性はウチの近所、
多いですよ。学校の知り合いにも一人います。ペンギンって・・・。
いわゆるブルカの女性でしょうかね。
ほめ言葉、けなし言葉も文化や習慣、その人の好みによっていろいろ
な解釈ができるということでしたね。
Commented by anthonberg at 2007-07-06 23:40
デンマークからですが、何か?(笑)
税金を払って貰うためにも働いてもらう方がいいと思っているのではないでしょうか?デンマーク。でも給料が少ないとストを起こしていますよ。外国人にもたくさんお金使っているから、私達にも働けという態度です。(もうちょっと待ってくれと言いたいけど!!)
ドイツは優秀な人でも子供が出来たら仕事を辞める羽目になる人が多いそうですね。医者だった友達は今でも医者でいたかった、と言うけれど、ドイツでは仕事か子供かを選択するしかないので、デンマークのように両方は得られないって言ってました。
デンマークはその代わり、社会に出ていない人には冷たいですよ。それに早くから子供を預けるので自立はするけれど愛情に飢えるパターンもあり、どちらにも長所と欠点があるような気がします。
Commented by anthonberg at 2007-07-06 23:50
あ、ペンギンが差別語ではなくて比べる相手が動物、魚ではいけないって事ではないのでしょうか?
ペンギンはかわいいから大丈夫という意味ではないと思います。その姿を褒めた表現ではないだろうし…。
もし『ペンギンみたい。』と言われたら姿勢が悪いのか、体型が丸いのか、目が恐いのかと色々考えちゃいそうです。(^^;;;
ペンギンは好きだけど〜。
Commented by penguinophile at 2007-07-07 00:38
akberlinさま:
スカーフ姿はうちのあたりでも結構みかけます。トルコ人ばかりでもないらしいですが、私には見分けがつきません。さすがに全身を覆っている人は見かた事がありませんけど、見かけたところで私のペンギンセンサーが働くとは思いがたいですなぁ~。
Commented by penguinophile at 2007-07-07 00:45
anthonbergさま:
そう、この記事ではデンマークがドイツとは好対照の「優等生」扱いだったんですよ。
結局のところ、仕事に就くか否かって、個人的な必然性と好みで決めるべき選択だと思うんです。だから「働かないと肩身が狭い」のも、「働き続けるのがすごく難しい」のも、どっちもなんだかちょっとな~って気がしちゃいます。
Commented by penguinophile at 2007-07-07 00:52
anthonbergさま:
確かに服装を動物に例えるなんて、引用されるような場でするべき発言じゃないですね。「ペンギンみたい」と言われて喜ぶバカは世間にそう多くはないですし(笑)。
Commented by ラメ at 2007-07-07 08:09 x
ドイツは育児支援が盛んなのかと思っていましたが、そうでもないんですかね?まあ、日本と比べたらもっといいのかも。。。
Elterngeld制度いいですね~♪
でもそんな大盤振る舞いして大丈夫なのかしら…(;`∀´)
Commented by 東風 at 2007-07-08 07:17 x
私には子供がいないので、詳しいことはわからないのですが、ドイツの場合、保育園などがほとんどないので、女性がフルタイムで仕事をするのが大変と聞きました。
日本でも育児休暇中の給与は保証されているけれど、親が二人とも休暇をとることはないんでしょうね。日本は収入によっては、児童手当はつかないし、保育園は高いところになるし、で、私の友達はブーブー言いつつも、辞めたら再就職は難しいご時勢。せめてコドモは医療費タダの市町村に、と色々な情報を集めてます。
Commented by はなはなマロン at 2007-07-08 13:50 x
3歳未満の子の9%しか受け入れ可能でないなんてひどい!両親手当てで大盤振る舞いするより、その分の予算を働く母親の支援策(保育園や病時保育制度の充実)に当てればいいのに・・と、日本のワーキングマザー(私)は思ってしまいます。単に両親手当てや父親の育児休暇取得だけ奨励するのは、女性は家にいることを前提にして”もっと産め”と鼓舞しているような気も・・。どこぞの大臣が「女性は産む機械」という発言で辞任を迫られたけど、ドイツは制度的にもそういう価値観や前提があるのかしらん?
Commented by penguinophile at 2007-07-09 21:19
ラメさま:
大盤振る舞いが必要なほど少子化が問題となっているという証かもしれません。でもElterngeldがもらえるからと言って産もうという考えに変わる人はすごーく少ないような気が(^^;

Commented by penguinophile at 2007-07-09 21:52
東風さま:
保育園不足とは聞いたことがありましたが、数で示されると歴然ですよね。
日本のワーキングマザーも大変でしょうが、仕事をずっと続ける意志がある場合、辞めるのはかなり勇気がいるように思いますし、もったいない気も。
Commented by penguinophile at 2007-07-09 22:04
はなはなマロンさま:
両親手当てのリンク先記事では・・・
>①高学歴の女性ほど子供を生まない傾向がある②将来専門能力をもつ人材の不足が懸念される-という現状があり、新制度導入によって、特に高学歴高収入の女性の出産育児を促すのがねらいだ。<
・・・と書いてあります。
でも、高学歴高収入の女性が子供を産みたがらないとしたら、その理由の多くは、「お金が足りない」ではなく、むしろ「もともと欲しくない(これは学歴関係ないか)」または「キャリアと両立できない」だと思うんです。「1年間の両親手当がもらえるから」という理由で出産に踏み切るようになるとはどうも思えないので、ちょっと的外れな制度という気も。
・・・って恩恵を受けておいて文句を言う筋合いじゃないかもしれませんが(^^;;
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ドイツ田舎町での地味暮らしを徒然なるままに。


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