ノルデルナイ島(Norderney)
先週は、北海に浮かぶノルデルナイ島で、義両親の3週間休暇のうち最初の1週間を一緒に過ごしました。

私の住んでいる中西部の田舎町から目的地までは、ローカル電車5本とフェリーとバスを乗り継いで片道9時間かかりました。電車にはSchönes Wochenendeという名称の切符を利用。これは週末に35ユーロ(約5700円)で5人までドイツ全土の近距離交通機関がほぼ全部乗り放題という切符です。息子はどのみち無料ですが、大人4人で電車を5本も乗り継いだら、かなり元が取れたような気になりました。

夏の海に行くんだからと水着を持参したものの、私達が滞在した一週間はほとんどずっと曇って肌寒く、たまに波打ち際でちょっと足を濡らす程度が関の山。タラソセラピーやプールといった設備やアザラシ海岸を船で訪れるツアー等もあったようですが、一歳児連れだった事もあり、義母が連発する「gesund(体にいい)」を合言葉に強風の海岸を毎日延々と散歩した印象が妙に強い休暇となりました。

ノルデルナイ島は療養地で、行きかう人々の8割方は悠々自適の年金生活者といった風情。日本人はおろか、ドイツには多いトルコ人でさえ見かけませんでした。夫いわく「トルコ人にはここは寒すぎるし、日本人は忙しすぎてここまで来る時間がない」。しかし、お金と暇を持て余していたとしても、ビーチリゾートとして北海を選ぶ日本人はほとんどいないような気がします。島の東部は自然保護地域になっています。市街地は西部に集中しており、徒歩で回れる規模の小奇麗な町でした。↓
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療養に訪れた人達は、ビーチではこんなStrandkorb(der Strand(浜辺)+der Korb(かご))を借りて、ゆっくりとくつろぐようです。↓
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こちらは移動更衣室とでも言えばいいのかな?↓
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かつての海岸の様子を示した絵を見たら、男性用と女性用に分けられたビーチに、この車がずら~っと並んでいました。中で着替えてから、なるべく人目に触れぬようハシゴ段から直接海に入ったそうです。このビーチでは現在でも更衣室として活用されていました。

私達が滞在したのはFerienwohnung。die Ferien(休暇)+die Wohnung(住まい)=リゾートマンション、とでも訳せばいいのでしょうか。一見こんなフツーのおうち。↓
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中は2LDKマンションといった感じで、息子には旅行用ベッドが準備されていました。↓
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これで基本料金が一泊55ユーロ(約9000円)、夫と私と息子が加わった分の追加料金が一泊8ユーロ(約1300円)。広々した綺麗なアパートに5人(4人半?)で滞在して室料が1万円強は安いですよね。なお、宿泊料金の他に、療養地サービス料が1日3ユーロ(約490円。オフシーズンは半額)かかりました。日本の入湯税みたいなものか。

基本的には自炊生活でしたが、最終日のランチは、休暇に便乗させてもらったお礼に、義両親をレストランに招待しました・・・と言えば聞こえはいいですが、実は単に私がシーフード料理を食べたかっただけ(笑)。子供連れの外食は何かと大変なので自炊が出来る環境は有難かったですし、そもそも私は義父の手料理に舌鼓を打っていただけなので、文句を言う筋合いではないのですが、しかし・・・海から徒歩3分の場所に滞在しながら、「朝:酸っぱいパンとジャム。昼:肉と野菜とジャガイモ。夜:酸っぱいパンとハムとチーズ」という食生活を一週間延々と繰り返したら、「なんか違うぞ!」という気になってくる日本人は私だけではないでしょう。お昼に魚を食べた事もありましたが、それもツナ缶あるいは酢漬けニシン。「舟盛りと日本酒なんて贅沢は言わないから、せめて保存食ではない魚を一度は食べたい!」という気分になってしまったのでした。
この町にはさすがに、シーフードレストランや、パンに魚のフライを挟んだ軽食を売るお店が多かったです。SUSHIレストランがなかったのはちょっと意外でしたが、味覚が保守的な年配の滞在客が多いせいかもしれません。魚屋さんは見かけませんでしたし、市場の魚屋台の品揃えも私が住んでいる内陸の田舎町と同程度。島の宿泊設備はほとんどがキッチン付Ferienwohnungのようでしたし、ケチで味覚音痴質素倹約を旨とするドイツ人が毎日外食をするとも思えないので、おそらくほとんどの滞在客が義両親と同じような食生活を送っているのでしょう。島国育ちの私から見ると、なんだかもったいないような気がしてしまうのですが。

町を散策中に見つけた、風車小屋がレストランとして使われているお店に行ってみました。↓
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私が食べたScholle(ツノガレイ)は、サラダが付いて13ユーロ程度(約2100円)。↓
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夫が「本日の定食」三種から選んだSeelachs(シロイトダラ)は、スープ、サラダ、デザートがついて11ユーロ程度(約1800円)。↓
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海岸近くには、Sanddornという植物が生えており、果実がジャムやお茶に使われています。生果実をそのまま齧ったら、甘酸っぱくてビタミンCたっぷり!という感じでした。↓
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普段は私と二人ぼっちの時間が長い息子にとって、Opa(お祖父ちゃん)、Oma(お祖母ちゃん)、パパと一緒に過ごした一週間はずいぶんと楽しかった事でしょう。砂遊びを満喫、波打ち際で足をパチャパチャ、滑り台で大はしゃぎ。浜辺の遊び場で会った6歳のお兄ちゃんには、kleines Rosinenbrötchen(ちっちゃいレーズンパンちゃん)というあだ名をつけられ、「もぐもぐ、美味しい~♪」なんて可愛がってもらいました。あだ名の由来はおそらく大きくて黒い目ではないかと思います。白人の子供は目の色が薄いから珍しかったのでしょう。こんな可愛いお友達もできました(2人とも真夏のビーチリゾートとは思えない服装)。↓
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おまけ:復路の乗換駅で蒸気機関車が展示されていました。10年ほど前まで貨物列車用に使われていたらしい。↓
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週末からはまたちょいとお出かけ。今度は東に向かいます。
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by penguinophile | 2008-09-04 05:40 | お出かけ | Trackback(1) | Comments(12)
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Tracked from MOMOの台所 〜ドイツ.. at 2008-09-10 21:10
タイトル : 最悪!!!休暇報告
出かけました!!!ほとんど、ヤケクソの状態で!!! お天気は悪く、も5月末だというのに最高気温15度。 南のバイエルンでは標高800メートルで雪。 本当はオーストリアへ行きたかったMOMOたちですが、雪は困ります。 比較的、お天気がいいということで、アルプスとはまったく逆方向、北海(Nordsee)へ向けて走り出しました。あくまでも、アルプスよりはマシということで・・・{/cloud_sim/}{/rain_sim/} 北海沿岸の小さな町で食べたのが、この大きなヒラメです。 ソテーしたヒラメの...... more
Commented by duke togo at 2008-09-04 13:14 x
きゃ〜、私の想像よりずっと北の地でした。
北海のリゾート島があるんですか。事務方に毎年夏になると礼文島に行く男がいますが、そんなイメージかな。(礼文島はもっと自然が残っている感じか)

いつぞやの温泉の話が頭にこびりついてて、お義母様は健康に良いから何も着ないで海に入ろうとか言い出すんじゃないかと思ってしまいました(^^; 海とスパはちょっと違うのかな。

写真のシーフードおいしそうですね。
ScholleやらSeelachsという言葉は割と日常出てくる単語なんでしょうか。

東のほうはちょっと行ったことあります。
東というか、南東の端っこが面白かったです。
誰やらの作った要塞(別荘)とかがあって(^^)
ごっつい山岳地帯でした。魚料理はあまりなかったような。
その後で「東の国」の塩の都でとある音楽祭を聴きました。
そんなお休み、もう取れない(^^;;
Commented by penguinophile at 2008-09-04 16:42
duke togoさま:
あはは~。これ以上行ったら海に落ちる!という位の北でした。いや実際ちょっと落ちたか。
私達の滞在中は気温15℃水温18℃程度だったので、素っ裸でうろうろしてたら健康にいいどころか風邪をひきそうでした。ちょうど私達が帰った日から気温が上がり、義両親は泳いだそうですが、たぶん2人とも家の近所の湖で泳ぐ時と同様のトップレスだった事でしょう(って義父のトップレスは当然だけど)。近くにFKK(Freikörperkultur)ビーチがあったので、下も脱ぎたい人はそっちに行くのが常識ではないかと推察。
外食したシーフードは普通に美味しかったです(注:褒め言葉)。Seelachsは私の住んでいる町の市場でもいつも見かけます。何度か料理してますが、形も味もごっつい感じの白身魚。Scholle(スペル間違えてた・・・)はそれほど一般的ではないけど珍しいという程でもないのかな。身が柔らかくて息子に取り分けるのにちょうど良かったです。

2年前に夫の出張に便乗してバイエルンを訪れた際、塩の都は日帰りで行きました。モーツァルトゆかりの地で音楽祭とは優雅ですなー。誰やらの別荘は行ってみたいようなちょっと怖いような。
Commented by nyf1403 at 2008-09-04 18:13
おぉ、ドイツの休暇を過ごされましたね。そうです、自炊するのですよ。海辺で魚を食べないドイツ人、うーん、正しいドイツ人なのか。。私は間違った生活でいいからこういうときは、魚だぞ、と思うのです。おたがい、日本人を捨てないでいましょうね。子ペンよ、キミは将来こういうところで休暇したら、きちんと魚を食べる男子になるのだぞ。
Scholleって美味しいですよね。正論の男猪之助言うところ、乱獲されているから買うな、ということだけど、お手頃値段で美味しいんだもん。
Commented by penguinophile at 2008-09-04 23:06
nyf1403さま:
はい、今回は義両親が一緒だった事もあり、かなり正しいドイツの休暇を過ごした気がします。
自炊設備があるのはいいですよね。特にこの島は高齢の長期滞在者が多いので、慣れた食事が一番。冷蔵庫がなかったらカルテス・エッセンも出来ないし。でも日本人はやっぱり海辺では魚ですよねっ!市場が出ていた日、新鮮な魚がいろいろ並んでいるのを期待して覗いたのに、一番幅を利かせていたのはなぜかウナギの燻製でした(食べた事ないけど、美味しいのかなぁ?)。
Scholleは乱獲されているんですか。メニューで名前を見たらすぐにわかったから、これまでも見てきたはずなんですが、自分で料理した事はまだないんです。
Commented by nyf1403 at 2008-09-05 01:02 x
母ペン様、Scholleは、このおさしんのように、さっとムニエルしてレモンとか、さっと焼いて大根おろしとポン酢とかします。私は美味しいな、と思います。
味付けて片栗粉はたいて揚げるとかいうのは、Heilbut(綴りがわからん)を使うことが多いですね。おひょう、かな、これ。
Commented by penguinophile at 2008-09-05 19:15
nyf1403さま:
さっと焼いて大根おろしとポン酢!それは美味しそうだ~。やってみます♪Heilbutt(←辞書ひきました^^;)も使った事がないんです。ドイツで入手できる数少ない生魚、もっとうまく活用できるようにならねば!
Commented by kinoko-de at 2008-09-07 14:48
コメントお久しぶりです~。
いいなぁ。北海の辺りに一度は行ってみたいんですよ~。
可愛いStrandkorbが並ぶあの風景を眺めてみたいです。
でも、国内とはいえ・・・遠いですよね^^;
長旅、お疲れ様でした。
kleines Rosinenbrötchenってあだ名、とってもかわいい^^
子供同士の交流は観察していると楽しいですよね~。
Commented by chibininn at 2008-09-07 16:37
ああーっ、海!地上の楽園バイエルンに唯一欠けているものは、海と新鮮な海の幸です。ドイツってば、やっぱり大きな国ですね。北と南では、本当に風景が違いますもん。

複数家族(世帯)で一緒に休暇を過ごすとき、FeWoってとってもいいシステムですよね。うちは経験できないけど、周囲のドイツ人が楽しそうに、ジジババオジオバと一緒に夏の休暇をFeWoで過ごす計画を立てているのを見て、いい感じだな~と思ってました。

レーズンパンはきっと彼の好物で、彼にとって好ましいものは、みんなレーズンパンちゃんになっちゃうんでしょうね。かわいいな(でも、おばちゃんは実はレーズンが苦手)。
Commented by MOMO at 2008-09-10 21:04 x
北海の海は海~!!!!という感覚とはかなり違いますが、MOMOはこの灰色の空と寒そうな海はわりと好きです。あっけらかんとした南の海よりも、ちょっと哲学的でいいと思うんですよ。
北海&バルト海はMOMOもツーリングに行った土地です。
どちらかというと東のバルト海のほうが好きかな・・・・
昔のMOMO記事をチェックしてTBしましょう・・・・
Commented by penguinophile at 2008-09-15 04:46
kinoko-deさま:
浜辺にStrandkorbが並んでいる景色は確かに良かったですね。しかしお天気が悪かったのでなんだか重苦しい写真ばかりです~。
片道9時間はやはり遠かったです。国内なのに下手な国外よりはるかに遠い(苦笑)。半端な距離でICEが走っていないので時間かかりまくり。息子はREの階段がいたくお気に入りで、私も何度昇り降りしたことか。
このあだ名、可愛いのでたまに使わせてもらっています♪公園とかで時々優しい子に会うと親の方まで嬉しくなりますよね。
Commented by penguinophile at 2008-09-15 04:53
chibininnさま:
いやぁ、片道9時間かけて海まで遠征しても新鮮な海の幸はいまいち期待外れでしたから、ご安心ください(←何を?)。やっぱり海の幸は日本が一番ですよねぇ。
それにしても同じドイツでも北と南では本当に景色が全然違いますよね。まぁ日本でも北海道と沖縄じゃ全然違いますが。ちびにんさんの日帰り旅行の写真なんか、私にとってはほとんどスイスですもん。羨ましいのはないものねだり?
義母がこの男の子に「小さい子はみんなレーズンパンなの?」と聞いたんですけど、「違う、この子だけ」と。でもお菓子のあだ名をつけるのが好きだったみたい。
Commented by penguinophile at 2008-09-15 04:56
MOMOさま:
トラックバック、ありがとうございます。ちょうど私が渡独した頃にやたらと寒かったのを思い出しました。それにしてもツーリングではるばる北海までとは、すごいですね。
哲学的かぁ。確かに難しい顔で散歩しながら思索にふけるにはいいかもしれません。でも私は(元)軟弱リゾートダイバーなので、水温18度の海はちょっと悲しいです~。

ドイツ田舎町での地味暮らしを徒然なるままに。
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