バレンタイン狂想曲

先日、日本に住む友人から「友チョコ」という言葉を教わった。聞けば昨今の若い女子は、バレンタインデーに手作りのチョコレートを贈り合うらしい。それだけ聞けば微笑ましい話なのだが、子供が自力でチョコを作れない場合、親が巻き込まれる事になる。そして子供と一緒に台所に立つ一時をのんびり楽しむ余裕がない親にとって、これは負担になってしまう。私の友人母娘2組は、初心者にも優しい無印良品の手作りチョコキットで乗り切ったらしい。ただしこういうキットを使うと、友人とかぶってしまう事もあるらしい。日本全国でどれだけの親が子供の友チョコ騒動に煩わされているのやら・・・(^^;。

友人が面白いコラムを教えてくれた。↓

著者は日独ハーフのサンドラ・ヘフェリンさん。ハーフとしてのアイデンティティなどをテーマに扱った著書は、気楽に読めるので私も何冊か読んだ事がある。たまに自分が知っている「日本」や「ドイツ」との違いに首をかしげる事もあるが、基本的には「なるほど」とうなずきながら楽しく読める。上記リンク先コラムも、思い当たる節が多い。

例えば去年のクリスマス前に、長男のクラスで保護者代表を務めているお母さんから、「一人2ユーロずつ集めて、担任の先生にプレゼントを贈りましょう」という提案があった。すると他の親から「2ユーロ×30人=60ユーロの贈り物は、高価すぎて先生が恐縮してしまう。半額で十分では?」という横槍が入り、結局一人1.5ユーロずつ集める事になった。誰かが提案した金額を値切るのは、日本ではちょっと考えにくいので驚いたが、どうやら珍しい事ではないらしい、とこのコラムを読んで知った。

個人的には、誕生日やクリスマスに、家族からプレゼントをもらわなくても別に構わない。でももらう場合は、高価でなくてもいいから、ちょっと心が浮き立つような物が欲しい。しかし金銭感覚が極めて堅実(←政治的配慮により精一杯ポジティブな表現)な夫とその家族には、「贈り物といえどもお金を払うからには、役に立つ物でなくてはならない」と固く信じているような節がある。この感覚の違いのせいで、結婚してからしばらくは、フラストレーションがたまった。しかしある年のクリスマスに、義母が「今年の自分達へのクリスマスプレゼントは、台所の水道の蛇口にしたのよ!」と、「お前も見習え」と言わんばかりのドヤ顔で自慢してきた時、私は悟ったのだ。「この家庭で育った子供に、私の感覚を理解させるのは土台無理な話だ」と。ちなみに私は、義母からクリスマスに浴室用スポンジをもらったものの、「もしかしてもう持ってる?あぁそう、じゃあいらないわね」と取り返された事もある。別に義両親のやり方を否定するつもりはなく、自分達の好きなように蛇口でも便座でも贈り合ってくれて一向に構わないのだが、私自身はパートナーに蛇口をプレゼントされて嬉しいとは思えない。それなら「蛇口は必要経費として処理し、プレゼントはナシ」という方が余程すっきりする。それ以来私は、ドイツ人夫にロマンを求めるのは諦め、プレゼントに欲しい物がない時はそのままスルーし、ある時はきっちり型番を指定して請求する、という合理主義に徹している。

上のコラムでも書かれているように、ドイツではバレンタインデーはイベントとしてそれほど浸透していないように思える。広告では見かけるが、実際にどの程度行われているのかは不明。少なくとも子供向けの行事ではないらしく、うちの6歳女子と8歳男子は言葉すら知らなかった。10歳男子は「好きな人にバラとかあげる日」という認識。ところが夫は今年に限ってBAILEYSという私の好きなリキュール酒をプレゼントしてくれた。職場近くの安売りスーパーで特売になっているのを見つけて買ったな、とすぐピンと来たのは、実は私もしばらく前に系列店で見かけて買ったから。狐と狸の化かし合いのような気もしないでもないが、好きな物をもらえれば素直に嬉しいし、「せっかくだからバレンタインデーにあげるか」と一応の気遣いを見せてくれたのも評価しよう(←上から目線!?)。渡し方に全く工夫がなかったのも、今更どうという事もない。しかし夫の最大の失敗は、日付を一日間違えた事だ。つまり、2月13日に私が子供を学校に送って帰宅したら、食卓の上に酒瓶がドンと置いてあったのだ。これではバレンタインのプレゼントだとは気付けない。実際、夫が帰宅して「1日間違えた」と告白するまで、私は「昨日買ったけど出し忘れてたのかな?」としか思っていなかったのであった。それでも一応プレゼントを頂いたし、友達から「ダーリンにチョコ用意した?」とLINEメッセージが送られてきて妙な義務感にかられたので、14日には簡単なケーキを焼いた。クリスマスの余りのサンタクロース型チョコレートと学童で余ったバナナの再利用なのは、もちろん夫にはバレバレだろうが、そんな事を気にするドイツ人ではないどころか、むしろ無駄が減るのを喜びそう。夕飯後に家族で美味しく食べた。平和な一日だった。

ところで最近、浴室の蛇口の調子が悪い。近いうちに取り替える必要があるかもしれない。誕生日にプレゼントされちまわないよう、気をつけねば。

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# by penguinophile | 2018-02-17 01:34 | 徒然 | Trackback | Comments(0)

親馬鹿日誌:ちびペン語録「スマホの中の人」

娘(6歳)の友達から回ってきたサイン帳。頑張って自分で書いてみたらしい。
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Q)挑戦してみたい事は?
A)男の子にキスする

・・・・・ってオイ!
ティーンエージャー女子向けのサイン帳だったので、「秘かに好きな男の子はいる?」や「キスした事ある?」といった質問に引きずられた感はあるものの、それにしてもイマドキの小学生はませてんな!

私は「女らしい」と褒められた事はほとんどありませんが、「男らしい」と呆れられた事は何度もあるような性格。うちの娘は、そんな私から産まれたとは思えないほど「女子」。驚くほどの甘え上手で、例え夫や私に万が一の事があっても、たくみに周りの大人の心の隙間に入り込んで甘え、逞しく生きていけそう。
「ねぇ、はなこ、可愛い?」
「あぁ、可愛いよ。」
「はなこの事、好き?」
「あぁ、好きだよ。」
というバカップルさながらの会話を母娘で繰り返していると、「可愛いけどメンドクサイ彼女を持った、優しいけど面倒くさがりの彼氏」になったような気がしてきます(爆)。

可愛い服が大好きな娘とは対照的に、長男(10歳)は今のところファッションへの関心はゼロ。洋服のサイズをチェックしたいから試着を頼んだら、
「えぇ~!生きてる時間の無駄遣い!」
まさかドイツ生まれドイツ育ちの子供の口からこんな表現が出てくるとは思わなかったよ。そういえば「ほっぺた落ちそう~!」と叫んだ事もありました。どこで覚えた、その表現。長男は何かと「そんな事よく知ってるな!」という事が多い子です。そして次男(8歳)は逆に「そんな事も知らなかったのか!大丈夫か?」という事が多い子です(^^;。スヌーピーをウサギだと思ってた、とかいう勘違いは笑えましたが。

長男は、ギムナジウムに通い始めてから、私が下の子供達のお迎えに行く間は一人で留守番する事が多くなりました。これまで娘は留守番未経験でしたが、年末に子供3人で留守番をさせた事がありました。というのも胃腸炎で入院中の日本人ママ友から「ドイツの固いパンが食べられないから、お握りを持って来て~」というSOSメッセージが夕方に入ったためです。「1時間で戻るから、とにかく怪我をしないように。あとシャワーを済ませておいて。」と言い残して家を出た1時間後、帰宅した私を待っていたのは、
「ぶんた兄ちゃんがあたしのパンツを履いたぁ~!」
と泣いて訴える娘でした・・・・・・orz。まぁ怪我はなかったからいいんだけどさ。

小児科で長男と次男の定期健診がありました。問診票は本人達に確認しながら記入し、唯一引っかかったのが「兄弟とほぼ毎日ケンカする」(^^;。いつぞやは長男が、弟妹が寝る支度をしている所にやって来て、「お尻を出してオナラをしてからすたこら逃げる」というバカ男子丸出しの悪戯をかました事もありました。ちょうどその翌日に保護者面談があり、先生方に「ぶんた君はふざけない」と言われたので、学校では優等生の猫を被っているようです。まぁ逆よりいいんだけどさ。次男もしょっちゅうウンコだのウンチだのと言っていますが、男子というのは本質的に下ネタが好きな生き物なのか。

子供達もずいぶん大きくなって、特に長男は身長148センチと小柄な日本人女性と変わらなくなってきました。幼児の頃と比べれば話が通じるので格段にラクなのですが、あまりぶっ飛んだ発言をしなくなって、ちょっとつまらない気も。そんな中、私のスマホの画面が暗くなったのを見た娘が、
「ママのケータイの中の人が、ママのケータイを消したよ!」
と教えてくれたのは、ちょっと楽しかったです。そうかと思えば
「はなこはベビーシッターになりたいけど、ママは何にもなってないよね?」
と無邪気な顔で核心を突いた厳しい発言をする事もあるので、6歳児は油断がならない(--;。

以前はマンホールの穴を見て「ここから入ったら日本に出るの?」と大真面目に聞いてきた次男も、今では
「将来の夢は、環境にやさしい乗り物を作ること。あとはたぶん無理だと思うけど、それでノーベル賞がもらえたら嬉しいな。」
と、妙に真っ当な夢を語るようになりました。そうかと思えば、自転車のライトの接続が悪い場所をビニールテープで留めてあるのを見て、
「あれ?ライトにPflaster(絆創膏)がついてる。痛いイタイしたの?」
という可愛い発言をしてくれたり。モルモットとゴールデンレトリーバー(特に仔犬のちょっと眠そうな目)が大好きな(まだ)ラブラブ星人です。

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# by penguinophile | 2018-02-13 01:40 | 子供 | Trackback | Comments(0)

Fokus Japan

今週水曜日の晩、スイス人おじさんカメラマンが日本を旅するドキュメンタリー番組を観ました。
番組内容紹介と見逃し配信はこちら↓
Web配信はドイツ国内だけかもしれませんし、期限もあるでしょうが。春香クリスティーンさんがこのおじさんとカラオケに行き「津軽海峡冬景色」を熱唱するシーンも!二人のおしゃべりはスイスドイツ語なので、標準ドイツ語がボイスオーバーされています(笑)。

ドイツのテレビがニュース以外で取り上げる日本ネタは、私が見た事も聞いた事もないようなぶっ飛んだ話題が多く、これを見たドイツ人はいったい日本をどんな所だと思うのだろう?と首をかしげる事もあります。でもこの番組は、日本の多面性をうまく捉えていたように思います。その原因はたぶん、地理的にかなり移動した事、知り合いを伝って普通の日本人の日常生活を覗いた事、そして職業体験に挑戦した事。思い出せる限りでキーワードを上げると、

東京(花見、ラーメン、カラオケ、魚屋、地下アイドル)
富山(温泉)
女川(津波被害、市長、漁業、老人ホーム)
東京(新幹線の清掃)
富士吉田(手打ちうどん)
京都(合気道、カプセルホテル、禅寺)
大阪(出会いバー、能面)
沖縄本島(デモ、民泊)
石垣島(木製船)

ね、なかなか面白そうでしょう?

さて、うちの冷蔵庫が壊れて一ヶ月以上が経ち、食材はベランダで保管している我が家ですが、明日やっっっっっと!新しい冷蔵庫が届く事になりました。いくらクリスマスと年末年始があったとはいえ、「在庫あり、即納可」で購入した商品が届くまでに一ヶ月以上かかるって、どーゆーこと?途中で何度かお店に電話しましたが、携帯電話の番号を伝えても記録されておらず、「メーカーに電話して確認のうえ折り返しかけ直します」と言ったきり連絡が来なかったりとか、まぁさすがのドイツクオリティだよな!と嫌味の一つも言いたくなる状況でした。これで明日も届かなかったら笑うしかないよ。

壊れた冷蔵庫に磁石で貼ってあった古いメモをさっき剥がしたら、裏面のレシートに印字された日時がなんと!娘が産まれた15分後でした。私は全身麻酔の緊急帝王切開手術中でしたから、買い物をしたのは息子を幼稚園に送った帰りの夫でしょう。助産師さんが夫に連絡がつかずに困っていた頃、本人は呑気にスーパーで野菜を買ってたらしい・・・いちおうケータイを所有してはいるんだから、妻が朝から陣痛促進剤を投与されるとわかっている日くらいは電源入れて持ち歩こうよ・・・と今更ながら改めてタメイキをつきました。先日、義母から電話で「息子もスマホの使い方を覚えて、天気予報とか調べられるようにした方がいい。penguinophileのスマホで練習させられないか。息子世代ならまだ覚えられるはずだ。」と言われたので「もちろん覚えられるでしょうけど、そもそも本人にやる気がない」と答えておきました。

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# by penguinophile | 2018-01-12 23:23 | Trackback | Comments(0)

謹賀新年2018

あけましておめでとうございます。
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元旦の朝食。黒豆、数の子、栗きんとん、昆布巻き、紅白なます、お煮しめ、蒲鉾、田作り、金柑甘露煮、林檎寒、厚焼き玉子、海老、いくら、たたきごぼう、雑煮。
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上の年賀状画像は「郵便局[ぽすくま]LINE」で作ってみました。最後のは干支にちなんだ犬バージョン。
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新年初遊びは町づくり。長男は独身で町中のアパートに住んでおり、職業は電車の運転士。次男は娘と結婚して郊外の一軒家に住んでおり、職業はバスの運転手。娘は第四子の育児休暇を終えて職場復帰したところで、市営プールの受付兼水泳の先生。週末にシフトが入ると休日手当てで給料アップするが、夫婦で調整してどちらかが子供の面倒を見るようにしている・・・・・・と、子供の成長につれてごっこ遊びも徐々に進化しております(笑)。午後はクリスマスにもらったボードゲームをしましたが、案の定喧嘩して泣き、負けて泣き(苦笑)。

旧年中は更新の滞りがちな拙ブログにご来訪いただき、どうもありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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# by penguinophile | 2018-01-02 03:31 | 徒然 | Trackback | Comments(2)

Frohe Weihnachten! 2017

え!もう!?もう!?とか驚いているうちに、本日は第四アドヴェント、クリスマスイブでした・・・。そんな最近のあれこれ。

雪が降ればとりあえず遊ぶ。でも今のところソリ遊びが出来る程には積もっていません。
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「ママだいすき!」大きいハート162.png
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母子四人の足型を取ってみたら大差ない事に気付いて衝撃を受ける。↓
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(だから何で勝手に画像が回転するのーー!?)
教会で聖ニコラウスに会う。
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児童図書館の「人生の先輩の話を聞く」イベントに参加したら、お年寄りに「サンタクロースはアメリカのコカコーラが作り出したまがいモン。ドイツは聖ニコラウス!」と断言されました。まぁ既にその数週間前に、長男が「サンタクロースなんていない。」と宣言し、子供達のプレゼントリクエストリストからサンタクロースが消えてパパママが加わったんですけどね。「サンタクロースって本当にいるの?」というデリケート質問を親にぶつけないまま、子供同士で解決した模様(^^;。ちなみに長男いわく「ユニコーンも鬼も、今はもちろん昔もいなかった。もし昔いたなら、恐竜のように化石が発見されているはず。」つまんない大人予備軍入りした模様。

クリスマスツリーはいつもの臨時販売所が工事中のため、もう少し先のスーパーで買い、子供達が担いで帰りました。約2mで15ユーロ。十二分に大きいはずなのに、「今年はちょっと小さめだなぁ」と思ってしまうあたり、私の感覚がかなりドイツ化しつつあるのか。↓
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子供達のクラスのクリスマス会がありました。10月のクラス旅行ではまだクラスメートと距離がある感じだった長男が、すっかり男子チームの一員になっているのを見て安堵。クリスマス会用のクッキーを小学校で子供達が焼くのを手伝い、家庭用オーブン一つで2時間程度焼きまくった成果!↓
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葬式仏教徒の私ですが、この時期は教会コンサートに行く機会が多いです。聴くだけではなく、必ず聴衆も一緒に歌う曲があるのがいい感じだなぁ。次男が入っている音楽協会の児童合唱団のコンサートも教会でしたし、長男の学校のクリスマスコンサートも教会でした。たとえ内容が学芸会レベルでも、会場が体育館ではなくこんな↓教会だと、3割は立派に聴こえる(ような気がする)。
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(だからなんで勝手に回転するんだよー!)

久しぶりに日本人ママ友と夕食会@Ratskeller。Grünkohlはドイツの冬を代表する野菜で、昔はコレで野菜が不足しがちな冬を乗り切ったのでは?という食材。日本語だとケールかな?専用のソーセージと一緒に食べます。↓
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Schnitzelカツとジャーマンポテトと目玉焼き。やっぱりドイツは肉とじゃが芋の国ですな。↓
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料理を出すのが遅れたから、とデザート盛り合わせをサービスしてくれました♪↓
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昨日は珍しく、というか多分はじめて、ドイツのクリスマスっぽい料理に挑戦してみました。と言ってもスーパーで買ってきたその名もずばりクリスマス焼き(Weihnachtsbraten)なる肉をオーブンで90分焼いただけ。付け合わせ野菜Rotkohl(赤キャベツ)も瓶詰めを温めただけ。時間はかかるけど超簡単な割にちょっとご馳走っぽく見えていいかも!と思ったものの、肉がパサパサで美味しくなかった・・・orz。純ドイツ人の夫は喜んだが、また作る気にはなれない。↓
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楽しいクリスマスを!
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# by penguinophile | 2017-12-25 06:43 | 徒然 | Trackback | Comments(0)

Würzburg

先日、子供が生まれてから初めて、夫婦二人で二泊三日の旅行に行きました。実はいわば棚から牡丹餅旅行でして、夫が業界誌の「読者&パートナーを本誌40周年記念ガラディナー&ホテル一泊ご招待!」懸賞で当てたからです。行き先はWürzburg Wikipedia日本語版はこちら)。予備知識ゼロで行きましたが、ユネスコ世界遺産もあり、なかなか素敵な町でした。人口は12万人余と私の住んでいる町と同規模ですが、観光やビジネスで訪れる人が多いせいか、もっと都会の印象。路面電車も走ってるし(←これが都会の基準と言うのも我ながらかなりどうかと思うが)。
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Würzburg出身で日本でも有名な人は、シーボルトとレントゲンでしょうか。以下、市内観光案内パンフを参考に書いています。

到着してからディナーまで少し時間があったので、町を少し散策。
市庁舎(Rathaus)↓
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1945年3月の空襲後の様子が展示された部屋があります。模型の建物にほとんど屋根がないので、最初に見た時は「屋根ナシ模型なのかな?」と思ったのですが、中心部の90%が破壊される絨毯爆撃を受けた結果、そうなってしまったそうです。

旧マイン橋(Alte Mainbrücke)↓
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聖人像が建てられた橋を渡って向かったのは、マリーエンベルク要塞(Festung Marienberg)↓
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元々はケルト人の避難所で、13世紀から18世紀までは領主司教(Fürstbischof)の居館。建物の中には入りませんでしたが、いろいろな時代の建物が混じってる印象。
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娘が見たら「ラプンツェルの塔!」と大喜びしそうな建物も。↓
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庭からは町が一望できます。教会が多い。そして教会の祭壇が東を向いている関係で、塔が要塞のある西側を向いて整列しているように見える。↓
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古いクレーン(Alter kranen)↓
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かつて舟の荷揚げに使われていた人力クレーン。まるでネズミの輪回しみたいな仕事、お金持ちは絶対やらなかったに違いない。
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ホテル(Maritim Hotel)で身支度を整えてディナー会場へ。招待メールに「Dresscode: Cocktail」と書いてあったので何を着て行くべきかかなり迷った結果、たまたま持っていた黒の膝丈ドレスを着て行きました。個人的には黒はあまり好きではないのですが、こういう時には無難で便利。と思うのは私だけではない、という事が会場に行ってみてよくわかりました。知り合いは一人もいない企業パーティーでしたが、スポンサーへの授賞をビデオクイズ形式に工夫してあったり、心理クイズ、詩の朗読、アクロバットブレイクダンスなどもあったりで、結構面白かったです。食事は☆付きレストランのシェフが腕を振るったそうで、前菜のスモークサーモンが肉厚で生っぽくてすっごく美味しかったです!☆☆☆
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隣の部屋に移って、デザートとカクテルを楽しみながらのダンスタイム。と書くとちょっとオシャレっぽいのですが、真夜中過ぎに提供されたのがCurrywurst(グリルソーセージのカレーケチャップがけ)というのが「いかにもドイツ!」で笑ってしまった。1時頃にホテルに戻り、就寝。翌日の朝食ビュッフェも良かったです。「ホテル=朝食ビュッフェ」と憧れている次男が見たら大喜びで大食いしそう。
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翌日、まずはレントゲン記念館(Rötgen-Gedächtnisstätte)へ。レントゲン氏の生涯に関するパネル展示と共に、X線を発見した研究室が保存してあります。↓
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開発初期のレントゲン装置って家具みたい。↓
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レントゲン氏が後のシーメンス社に書いた手紙。「貴社の製品は品質は良いが高過ぎる。今後も私と取引を続けたいでしょう?30マルクではなく20マルクで売って下さい。」ノーベル賞受賞者が脅しをちらつかせながら実験機器を値切っているあたりに親近感を覚える(笑)。↓
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(また画像が勝手に回転して戻せない!)
ユリウスシュピタール(Julisuspital)↓
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領主司教が16世紀に創設した施療院で、今は病院、老人ホーム、ワイナリーを組み合わせた財団法人。この組み合わせが興味深い。
領主司教の夏離宮。↓
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シュティフト・ハウク教会(Stifut Haug)↓
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ビュルガーシュピタール・ツム・ハイリゲン・ガイスト(Bürgerspital zum Heiligen Geist)↓
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この財団法人も老人ホーム兼ワイナリーのようでした。ちょっと面白かったのが、かつてワイン材料の葡萄をつぶすのに使っていたこの機械。受け皿の一角には、葡萄ジュースが出る穴が開いています。↓
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宮殿(Residenz)↓
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ユネスコ世界文化遺産。18世紀に建てられた領主司教の居城。中は撮影禁止だったので写真はありませんが、まぁ~バロックやらロココやらで超豪華!!!の一言でした。ツアーに加わらないと入れない部屋もあるので、言葉がわからなくても加わってみるべきかと。入口ホールは、馬車が丸ごと入って、客を降ろし、出て行けるだけの広さがあります。最も有名なのは、空襲でも壊れなかった階段室の天井フレスコ画で、当時知られていた四大陸が描かれています。Würzburg領主大司教は前述のマリーエンベルク要塞からこの宮殿に引っ越しますが、19世紀初頭には帝国代表者会議主要決議によって司教領の支配組織が解散させられます。と書いてみたものの、歴史に弱すぎる私はいまいちよくわかっとらんのですが、要するにナポレオン達に追い出されちゃったって感じ?司教はすぐ近くの建物に引っ越しましたが、庶民感覚で言えば大邸宅だけど、あの宮殿から引っ越したらみすぼらしく感じるだろうなぁ、という建物でした。

本日最後の観光、ノイミュンスター教会(Neumünster)。↓
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(建物画像が勝手に90度回転するのはひど過ぎる!)
この教会、私は正直あまり好きにはなれませんでした。Würzburgにキリスト教を伝えた宣教師キリアンが殺害された場所という事と関係あるのかもしれませんが、キリストの受難を描いた絵(打たれ、傷つけられ、十字架を運び・・・)がたくさんあり、中央に下がる十字架のキリスト像には本物の髪の毛を使ってあり。キリスト教徒ではない私は「イエス様が私の罪を背負って下さった」と有難く思う気持ちに欠けているせいか、見ていると痛々しくて辛くなってくる教会でした。

この日はちょうどクリスマス市の開始日!綺麗なイルミネーションをたくさん見られてラッキーでした♪♪♪
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定番のGlühwein(香辛料入りのホットワイン)も飲みました。↓
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夕飯は近くの郷土料理レストランWirtshaus Lämmleへ。↓
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ウェイトレスさんがDrindlという民族衣装を着ており、そういえばここはもうバイエルン州だったよな、と思い出す。そして「この服はある程度胸がないと似合わない」と改めて思うオヤジな私。

前日のホテルは満室だったので、すぐそばにある安ホテルへ。ホテルというより学生寮みたいな安普請でした(笑)。前日のホテルの目の前だったし、シャワートイレ付きダブルルームで朝食込み95ユーロだったし、たかが一泊それも寝るだけなので、まぁいいんですけどね。

翌日の午前中は、ザンクト・キリアン大聖堂(Dom St. Killian)へ。↓
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教会の柱沿いに司教達の墓石が並べられています。昔の領主司教は「司教」という宗教的な役割だけではなく、土地を統べる「領主」の役割もあったため、司教のシンボルである杖だけでなく、領主のシンボルである剣も持っています。↓
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最近の司教は領主ではないので、持っているのは杖だけ。↓
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説教台を支えているのは福音書を書いた4人。↓
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旧大学の周りを散策してから帰路につきました。↓
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私達の留守中は、義両親がうちに泊まり子供達の面倒を見てくれました。折り悪く冷凍冷蔵庫が故障してしまい、買い溜めしてあった大量の魚フライを食べ続ける羽目になったらしいです。別に私のせいじゃないけど、何だか申し訳なかったです。新しい冷蔵庫はまだ来ないので、食材はベランダに出してあります。夏じゃなくて良かった。かなり寒いので、すぐに傷むことはなさそうですが、凍るかも(^^;。

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# by penguinophile | 2017-12-12 01:20 | お出かけ | Trackback | Comments(0)

待降節(der Advent)2017

待降節に入りました。今年のキャンドルリースとアドヴェントカレンダーはこちら。提供はまたまた隣の模範的主婦のS夫人です。
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一昨日の日曜日が第一アドヴェントでした。今年はクリスマスイブが日曜日なので第四アドヴェントと重なるため、例年より何だか少し慌しい。今日は娘のクラスのクリスマスクッキー作りを手伝いましたが、まぁ控えめに言ってもかなりカオスでしたねぇ。これからしばらく子供達のクラスのクリスマス会や教会でのコーラスが目白押し、というか日程がばっちりしっかり重なっています。どうしよ。

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# by penguinophile | 2017-12-05 22:20 | 徒然 | Trackback | Comments(0)

Conclave / Robert Harris

コンクラーヴェ(ラテン語: Conclave)とは「教皇選挙」を意味する言葉で、カトリック教会においてローマの司教たるローマ教皇を選出する選挙システムのこと。Conclave とはラテン語で "cum clavi" (「鍵がかかった」)の意である。(Wikipediaより引用

図書館の英語本コーナーで見つけて読んだ本。Robert Harris氏の本を初めて読んだのは“Fatherland(邦題『ファーザーランド』)“で、以後、追いかけてはいないが機会があると読む作家さん。“Pompeii(邦題『ポンペイの四日間』)“は読んだ。“The Ghost(邦題『ゴーストライター』)“は記憶にないが記録にある。“Archangel(邦題『アルハンゲリスクの亡霊』)“は読んだような気がするが記録にない。

2016年発刊のConclaveは、近未来の世界を舞台に、ローマ教皇が亡くなってから枢機卿団が後継者を選出するまでの話である。舞台はバチカン市国内で、全世界から集まった枢機卿団が選挙中に住むCasa Santa Martaと選挙が行われるSistine Chapelを行ったり来たりする。外界から遮断された状態で枢機卿団が行う選挙が題材なので、登場人物のほとんどが50台から80歳までの男性。名前を覚えるのが苦手な私は途中で混乱してしまい、9人の名前と役職をメモに書いて読み進めたが、基本的にはすいすい読める本だった。

始めて覚えたローマ教皇はヨハネ・パウロ2世(在位1978-2005)、という世代の私が、Conclaveという単語を私が初めて知ったのは、たぶんDan Brownの“Angels & Demons“(邦題『天使と悪魔』)だと思う。トム・ハンクス主演の映画も観たが、今回“Conclave“本を読んでふと思ったのは、「ユアン・マクレガーはCamerlengoにしては若過ぎたんじゃないか!?」という事だった。別に年齢制限がある役職ではないらしいが、それにしても若い。“Conclave“を忠実に映画化したら、30台の若造が出る幕はほとんどないような気がする。まぁ80歳間近ではパラシュートで舞い降りるのはちと厳しいか(^^;。

この本では、有力な候補者達にスキャンダルが発覚して失脚していくが、最終的には適任者が見つかって予定調和の大団円、に終わるかと思いきや、最後数ページでやたらと現代的で思いがけないスキャンダルが持ち上がってどんでん返し。なんだかびっくりしてる間に本が終わった。ともあれ、絶対に一生目にする機会のない、超伝統的な儀式の舞台裏を覗き見る楽しさがある一冊だった。

ちなみに今年の10/31と11/1は宗教がらみの祝日で連休だった。10/31は宗教改革記念日(独Reformationstag)で、マルティン・ルターが宗教改革を始めたことを記念する日。私が住んでいるのはカトリック寄りの州なので、プロテスタントの祝日は通常適用されないのだが、今年は500年祭なので特別に祝日だったらしい。カレンダーを見ても関係ないと思ってスルーしていた上に、学校が秋休み中だった事もあり、危うく気付かずに当日を迎えるところであった。ちなみに翌日の11/1は諸聖人の日(独Allerheiligen)で、こちらはカトリックの祝日なので、毎年お休み。ドイツでは日曜祝日はお店が開いていないので、冷蔵庫が空っぽのまま連休を迎えると結構マズいのである。

この祝日のせいもあり、夫と珍しく大人の会話をしていたら、「鎖国時代の長崎にオランダだけが出入りを許されたのは偶然ではない。カトリックの国は布教目的で日本に近付いたが、オランダ人はプロテスタントで、商売だけに興味があり、布教をしようとしなかったから、交易を許された。」と夫に教わってしまった。もともと社会科が大の苦手な上に日本史を習ってから何十年も経っているとはいえ、日本や歴史の専門家でもないガイジンにそんな指摘をされて「えっ、そうだった!?」と驚くのは、さすがにかなり恥ずかしいものがあった。キリスト教宗派や欧米諸国がみんな十把一絡げの私が、なんだってこんな所に住んでいるんだかねぇ~。

宗教つながりで最近面白いと思ったのがこちらのリンク先の記事
『「クリスマスと正月が同居する日本」に世界の宗教家が注目! 寛容の精神に見る、宗教の本質とは』
中でも妙に腑に落ちたのが、
『日本人の宗教観というのはBelieve in somethingではなくて、Respect for somethingもしくはRespect for others、こういうスタイルが日本人の宗教観です。』
という表現。
以前、「ぐりとぐら」で有名な作家の中川李枝子さんが講演会で勧めていた『一〇〇年前の女の子』という本を読んでみたら、田舎の四季を過ごす主人公の日常の中に、神様を敬う行動様式が当然のように組み込まれており、「これは人の心に神様が生きていた時代だなぁ」と思った。
そもそも日本の神様はおそろしく人間臭い。怒って閉じ篭った太陽神を何とかして外に出そうと八百万の神様が集まって裸踊り、騒ぎが気になって外を覗き見た太陽神を引っ張り出して一件落着。などというまるで庶民オヤジ宴会における余興のごとき逸話を聞いて、親近感を覚える人はいるだろうが、神々の偉大さや素晴らしさに感動してひれ伏す人はあまりいないだろう。ギリシャ神話の神々も結構人間臭いかも。山の神や海の神に敬意を払う(respect for)メンタリティは、全知全能の唯一絶対神を信奉する(believe in)メンタリティとは、かなりかけ離れている気がする。神に畏れを抱くという点は共通しているかもしれないが。

以前日本で住んでいたイギリス人女性が、「日本に来てから地震が怖くて不安で仕方なかったが、キリスト教を信じるようになって、平気になった。」と語っており、「なるほど、この人にとって、宗教は確かに必要な物なのだなぁ。」と思わさせられた。その一方で、「キリスト教徒は行動の指針を神に託しているが、日本人はいったい何を根拠に判断して生きているのか?」と尋ねられた私は、返答に窮した。単に私が苦労知らずなのかもしれないが、日常の判断をいちいち神様に委ねる必要性はあまり感じない。逆に「いくらキリスト教徒でもそうしょっちゅう天啓に打たれる訳でもないだろうし、全ての問いに対する具体的な答が全て聖書に載っているとも思い難いが、いったいどうやって神様に判断してもらうんだ?」という疑問を後になって抱いたのだが、答がこの本“Conclave“にあった。

’No one who follows their conscience ever does wrong, Your Eminence. The consequences may not turn out as we intend; it may prove in time that we made a mistake. But that is not the same as being wrong. The only guide to a person’s actions can ever be their conscience, for it is our conscience that we most clearly hear the voice of God.’ (”Conclave”, p.296)

なるほど。しかしこれだと結局のところ「自らの良心に従って行動する」訳で、神様を信じない人でも大差ないような・・・と思ってしまうのは、やはり私が異教徒だからか。キリスト教国に住んでキリスト教に一定の敬意を払ってはいるが、私自身が「信じる者は救われる」と心から信じられる日が来るとはあまり思えない。


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# by penguinophile | 2017-11-02 07:37 | Trackback | Comments(0)

お葬式

書くといって書かないまま既に忘れそうになっていますが・・・(^^;;;
隣人が亡くなりドイツではじめて出席したお葬式の話。

日本でお通夜や告別式に出席する場合、まず気になるのが喪服とお香典。
そもそもちゃんとした喪服は持っていないのですが、「これは喪服として通用するだろう」という黒の上下は日本から引っ越した際に持って来ていたのですが・・・11年という歳月と3回の妊娠の結果、ウエストが入らなくなっていました・・・orz。幸い今年の春に展示会での仕事用に買ったスーツも黒。ビジネス向けのスーツで喪服ではありませんが、元々服装にユルいドイツならおそらく大丈夫だろう、と判断。結局、故人の身内を含め参列者は皆「とりあえず濃い目の色の服を着てきました」という雰囲気だったので、正解でした。

もう一つの懸案事項であるお香典・・・ってそもそもそんな習慣がドイツにあるのか?というレベルなんですが、私(^^;。夫に聞いてみたものの「祖母の葬式しか参加した事がないからよくわからない」という答が返ってきて、「え、いいトシしてそんなもんなの?」と思う。という訳で、社交性があり社会経験が豊かな年上のドイツ人の友人お伺いを立てたところ、以下のような返事が返ってきました。

===
お悔やみカード(eine Trauerkarte)はだいたい書く。故人との関係が深かったかどうかによって、お金を添えたり添えなかったりする。親族の場合は、Urnenbestattung(火葬で骨壷に入れた場合?)以外は、リース(ein Kranz、高価)、アレンジフラワー(ein Gesteck)、または寄せ植え(ein bepflanzte Schale)を買う。うちの近所で誰かが亡くなった場合は、一人5~10ユーロ程度を集め、カードと一緒に贈る。葬式の案内状に花ではなく現金を贈るように指定してある事もある。
===

故人の奥様には大変お世話になっているけれど、現金を渡したら絶対にかえって気を遣わせてしまいそうなので、結局お悔やみカードだけを贈る事にしました。夫にそれらしい文句を書かせ、家族全員が署名した後で、上下逆転している事に気付くorz。時間切れのため気付かなかったふりしてそのまま使っちまいましたー!ちなみに二軒隣の奥様は、花束を持参していました。

お葬式は墓地内にある礼拝所で行われました。故人とその奥様の希望で、近しい身内と隣人だけを招いた、こじんまりした式でした。入学式でもお葬式でも、式次第ではなく賛美歌の楽譜が配られるのがドイツ式?神父さんのお説教とプロ歌手の歌を聴き、参列者で賛美歌を歌って式は終了。厳かで落ち着いたお式でした。

翌日には故人の故郷の町でお葬式があるそうで、棺はそのまま。参列者は湖畔のレストランに移動し、軽食とケーキを頂きました。そろそろお開きという頃に、故人の奥様が私のところに来て「ちょっと待って下さいね。今、残ったケーキを包んでもらってるから、子供達に持って帰ってね。」って、おいおいこの奥様、旦那様のお葬式の日にまでうちの子供達の心配をしてくれてるよ!と思わずのけぞりそうになりました。

お葬式の前に、二軒隣の奥様が「あの棺の中に故人がいる気がしない」とおっしゃっていましたが、実は私も「棺は空で、隣のおじさんは自宅でくつろいでいる」ような妙な気がしていました。故人とはあまり交流がなかっただけに、今でも道や裏庭にいるおじさんを見かけそうな気がしています。

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# by penguinophile | 2017-10-03 20:05 | 徒然 | Trackback | Comments(0)

入学式の日(後編)

8/31(木)、娘の小学校入学式。すぐ隣の幼稚園から仲良し女子グループ5人がまとめて同じクラスに入れたし、担任も去年度までお兄ちゃんがお世話になった先生でアタシの希望通りだし、お兄ちゃん達の送迎や入学前プログラムで建物だってもう知っている。緊張というよりワクワクばかり!で迎えた入学式でした。末っ子がもう小学生かぁ(しみじみ)。
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この日の私は、2時間おきにバラバラの場所へ3人を交代に送迎し、その合間に入学式に出席して幼稚園に挨拶に行き昼食を作って子供に食べさせる、とかなり忙しい予定だった。ちなみに車は長期間使わなかったせいでバッテリーが上がり動かない(まぁ車が動いてもほぼペーパードライバーなんだけど)。町はずれのショッピングセンターで、新入生がお店を回るといろいろオマケがもらえるイベントがあり、娘を連れて行きたかったが、とてもそこまで手が回らない。気合を入れて一日をスタートしようとした矢先に雨が降り出した。ワンピースを着た新入生と雨の中を自転車で一日走り回るのか・・・しかも紙製の大きなSchultüteまであるよ・・・(>_<)

そこで、困った時にいつも頼りになるお隣のS夫人に「お兄ちゃん達を学校に送る間、娘を預かってくれないか」と頼むと、快く引き受けてくれたばかりか、入学式の送迎とショッピングセンターのイベント付き添いまで申し出てくれたので、渡りに船とばかりに甘える事にする。入学式の内容については過去記事参照(リンク)。去年から宗教色がなくなったはずの学校だが、礼拝の習慣は変わらない。そして前日が半年振りの登校だった次男が、既にちゃっかり学校のコーラス隊として当たり前のような顔で歌っているのに驚く。それにしても、親も子供も先生も、スーツ姿は一人たりともいない。母親が卒園式や入学式で着るためのスーツが女性ファッション誌で取り上げられるどこかのお国とは大違いだ。入学式を終えてから、娘と幼稚園へ挨拶に行ってしばし談笑してから、迎えに来てくれたS夫人に娘を託す。

そんな訳で、その日のS夫人は「代理孫」を預かって右往左往させられていた。ショッピングセンターではたくさんのお店を回ったし、駐車場で車をこすられて警察が来るまで1時間も待たされたし、全て終わったのはもう夕方。代理孫を無事に隣宅に送り届け、やっと自宅に戻ったところで、ふと異変に気付く。終日在宅予定の夫S氏(80歳)のために準備した昼食がそのまま残っていたのだ。寝室に様子を見に行ったところ、S氏はまだベッドの中にいたのだが、何やら様子がおかしい、というか全く動かない。とにかくかかりつけの家庭医に電話するも、2週間の休暇中(さすがドイツ)。代診の先生に往診を頼むが、待合室が満員で手が離せず、救急車を呼ぶように言われる。救急隊員に続いて救急医もやってきて、S氏の死亡が確認された。しかし死因がはっきりしない。S氏は何年か前から高血圧の薬を飲んでいたが、他にこれといった持病もなかった。「死因不明→不審死の疑い」となり、警察が呼ばれる。警察はS宅を隅々まで調べあげ、S夫人に質問する。
-いったいどうして夕方まで夫の死亡に気付かなかったのか?
-S氏が昼頃まで寝ている事はよくあるし、今日は隣の子供を連れて外出していた。
S夫人の当日の行動を確認するために、第三者の証言が必要だと判断された。

そこでS夫人が行動を共にしていた娘の自宅、つまりウチのチャイムが鳴らされた。インターホンを取ったらいきなり「Kriminalpolizei」ですよ。私服刑事が身分証明として見せたのは、金属製の大きなキーホルダーみたいな物だった。たぶんコレ(リンク)。刑事さんは感じのいい若い男性で、開口一番「今日入学したのは誰?キミか!おめでとう!」と娘と握手。子供抜きで話したいと言われ、子供とぬいぐるみ軍団をまとめて寝室に放り込む。学用品の名前書きの真っ最中で散らかった部屋に人を通すのは恥ずかしかったが、犯罪捜査課の刑事ならもっとすさまじい現場を見た経験があるだろう。そして刑事さんの口から、隣宅のS氏が亡くなった事を聞かされ、今日のS夫人との接触、最後にS氏を見たのはいつか、などと尋ねられた。なにせその日はS夫人に娘を三回も預け、私自身も2時間おきの約束に追われていたから、一連の行動とその時間についてはかなり正確に話せたつもり。こういう時、ドイツ語も英語も全く出来なかったらどうなるのだろう?とふと思った。S氏の遺体は翌日、検死解剖されたらしい。死因が判明したのかは聞かなかったが、遺体はすぐに遺族に返されたから、事件性はないと判断されたのだろう。

S夫人はこの日の事を一生忘れないと思う。私はこれまで、「自宅で就寝中にぽっくり」を理想的な死に方だと思っていた。しかし、家族の立場に立ってみると、何の前触れもなく身内の死体を発見したショックも覚めやらぬうちに、自宅が殺人現場のように扱われ、自分が殺人犯のように扱われる事になる。S夫人は「Sehr unangenehm(非常に不愉快)」と表現していたが、これは確かにかなり厳しい経験で、警察に対して「80歳の普通の老人が自宅の寝床でひっそり息を引き取ったのだから、そっとしておいて欲しい」という気持ちになっても無理はない。とはいえそんな死が不審死としてきっちり調査されるのは、ドイツが豊かで平和な国だという一つの証なのかもしれない。

という訳で次回はお葬式の話。


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# by penguinophile | 2017-09-15 22:28 | 子供 | Trackback | Comments(4)


ドイツ田舎町での地味暮らしを徒然なるままに。


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