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竜巻

まだ朝晩は肌寒いものの、昼間は日射しが強く気温が上がる日も多くなってきました。
暑い日の夕立はよくある事ですが、まさか竜巻が起こるとは……!!!

↓町中心部の緑地帯にあるWebcam画像。
2022/5/20 16:00
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2022/5/21 6:00
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木が根こそぎ倒れるか途中から折れて、妙に見晴らしが良くなっているのがおわかりでしょうか?

金曜午後は子供三人それぞれ別の習い事があるのですが、この日は「強風・豪雨・雷・雹」警報が出ていたので、全てお休みさせました(内陸なので「波浪警報」だけはない)。夫も仕事を早めに切り上げて帰宅してからしばらく経った頃に、嵐が始まりました。とは言え家の中で身の危険を感じる程ではなく、1時間以内に収まりましたが、その日の晩から翌朝にかけて被害状況が明らかになってきて驚きました。どうやら幅300メートルの竜巻が、町の中心を西から東に通り抜けていったようです。負傷者43名(うち重症13名)。家の屋根は吹っ飛び、木は倒れて道を塞ぎ車をつぶし、家具屋のショーウィンドウは全部割れ、花屋の温室もほぼ全壊、ひっくり返った車もあり、教会の塔は途中からポッキリ折れ、一部で停電、市内バスは全面運休、移動遊園地は中止。昨日は市長が記者会見を開き、州首相が視察に訪れて「アメリカじゃあるまいし」みたいな感想を残し、夜の全国ニュースではトップ扱い、領事館から安否確認の電話までありました。警察や消防らが週末返上で片付けに精を出してくれましたが、嵐から2日経った今もまだ倒木などの処理が終わらず立入禁止の区域があります。
うちは町の北側にあるため竜巻の進路からはずれていましたが、子供達の習い事はどれも町の中心部にあり、被災したのでしばらく休みとの連絡がありました(嵐の時に来ていた子はかなり怖い思いをしたらしい)。校舎が被災して来週は休校やリモート授業の学校が多い中、うちのギムナジウムは町のど真ん中にあるのになぜか無傷で、明日も通常通りに授業を行うとの連絡があり、子供達は文句を言っています(娘のクラスは市営プールに行けないので4時限連続で英語の授業^^;)。
町の生活が正常に戻れるのは、来週の飛び石連休が終わってからになりそうです。




# by penguinophile | 2022-05-23 01:20 | 徒然 | Comments(2)

あらいぐまラスカル

アニメ「あらいぐまラスカル」全話が6/30までYouTubeで公開されています。ドイツからでもブロックされる事なくごく普通に視聴できるようです。
「カルピスこども劇場」←なんかもう名前だけで超懐かしい!ハイジやムーミンの主題歌を集めたソノシート(←死語)が家にあったなぁ。
5年前、日本滞在中にケーブルテレビで平日午後に再放送していた「あらいぐまラスカル」に家族ではまり、幼稚園からダッシュで帰宅して正座せんばかりの勢いで視聴しました。うちでは、後期高齢者日本人女性から、中年ドイツ人男性(日本語検定N5←一番やさしいレベル)、日独ハーフ幼稚園児まで楽しめましたので、対象は老若男女国籍を問わないようです。

子供の頃の記憶は「観たような気がする、ラスカルが可愛かったような気がする」程度ですが、大人目線で観ると、実は子供向けの能天気な話ではなく、結構深~い内容に驚かされました。
(注:以下ネタバレ!)===
初回でいきなり、親アライグマが猟師に殺され、主人公の少年が孤児アライグマを保護する事になる。更に追い打ちをかけるように、主人公の母親が病死するという衝撃の展開。もちろんラスカルは滅茶苦茶カワイイけれど、単に可愛いだけの存在では全くない。人になついたとはいえそもそも野生動物なので、脱走して畑を荒らしてしまい、怒った隣人に射殺されそうになる。一方、主人公の父親は事業に失敗。主人公は自身の人生が転機を迎える中、ラスカルの幸せや飼い続ける事の是非について大いに悩み、苦渋の決断に至る。
===(ネタバレここまで)
全体のトーンは明るく、友達との関係や、ガキ大将グループとの衝突なども描かれ、少年の成長物語と言えます。

この作品の影響でアライグマをペットとして飼う人が増えたものの、飼いきれずに放された個体が繁殖して問題になったらしいです。野生動物を飼う事の難しさをきちんと描いた作品を観た上で、それでも飼おうとする人の気が知れません。そもそも動物を他所の生態系から勝手に連れてきて、玩具にした挙句に「害獣」として殺処分するなんて、人間はどこまで自分勝手なんでしょう。

それはさておき、子供だけでなく大人にもお勧めできる作品ですから、お時間あれば是非!
LINEのラスカルスタンプはドイツから買えないのが悔しいけど、公式サイトをLINE友達登録すると、季節感あふれるカワイイ画像が送られてくるので、そちらもおススメ♪
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# by penguinophile | 2022-04-30 08:44 | 徒然 | Comments(4)

復活祭休暇

先週末までの二週間は、復活祭休暇で学校がお休みでした。休みに入る前、ドイツのコロナ新規感染者数は20万人/日程度で、身近にも感染が相次ぎ、「うちもいつ感染してもおかしくない」を通り越して、「むしろなぜまだ感染していないのか」状態でした。その一方で、規制はほぼ解除されていきました。

日本人に最も馴染みがあるキリスト教行事はクリスマスでしょうが、実はキリスト教的には復活祭の方が大事らしいです。クリスマスは単なる誕生日だけど、復活祭はイエス様が復活して神の子だと証明されたので、後者の方が教義的には重要なのかもしれません。大聖堂では聖書に沿う形で「最後の晩餐」「キリストの磔刑」「キリストの復活」等のミサが毎日のように行われるため、聖歌隊も大忙しです。過去2年はコロナでまともに執り行えなかった復活祭のミサが、今年は再開できる!と張り切って聖歌隊の特訓合宿をこれまた3年ぶりに行ったところ、合宿で感染が広がりまくってミサ本番で歌える人数が激減するという、本末転倒を絵に描いたような顛末になりました。

聖歌隊内で感染者が増えていくのに危機感を覚えた次男が、近所のテストセンターで迅速検査(抗原検査、無料)を受けたところ、陽性判定。すぐに別のテストセンターでPCR検査を受けて、約48時間後に陽性と確定しました。ちなみに旅行等の自己都合で受けるPCR検査は有料ですが、迅速検査の陽性結果を受けてのPCR検査は無料です。聖歌隊の指導者に事情説明メールを送ったら、"Oh nein!"という返信が(^^;。次男が脱落したせいで、一番大事なキリスト復活ミサでアルトを歌える人材がたった一人になってしまったので、"Oh nein!"と言いたくなるのも無理はありません。

次男が陽性となった時点での州コロナ規制によれば、陽性者本人と同一世帯の家族は原則10日間の自宅隔離(買物や犬の散歩もNG。7日目以降の迅速検査で陰性なら短縮可)。ただしブースター接種を済ませた夫と私、二回目の接種を済ませてから三か月経っていない娘は、隔離から免除。もっともさすがに外出は控えましたが、夫や私が食料品の買い出しが出来るのは有り難かったです。感染した次男は4日間ほど鼻が詰まったものの、超元気なままでした(ちなみにワクチン接種翌日は、倦怠感と頭痛で寝込みました)。次男と私の距離感は「中学生男子とその母」と言うよりは「バカップル」に近いので、次男が感染したら私も絶対頂くだろう…と覚悟していたのですが、予想に反して家庭内感染はないまま、7日目に迅速検査を受けて陰性となり、隔離終了!無罪放免!と相成りました。隔離が終わった後になってやっと、保健省から「隔離義務の通知と注意事項」が郵便で届きました(遅過ぎて意味なし)。

そんな訳で、我が家のコロナ第一波は、病人らしい病人は出なかった上に、(復活祭ミサに向けた練習は無駄になったものの)予定を大幅に狂わされる事もなかったので、かなりラッキーだったと思います。とは言え次も軽く済む保証は全くないので、第二波以降は遠慮したいものです。
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二週間の休み中に季節は進み、久しぶりの通学路は新緑の勢いが驚くほど強くなっています。子供達が通うギムナジウムでは、ウクライナから避難中の子供達が通い始めました。5年生の娘のクラスには男女1名ずつ(金髪碧眼男子と超美人女子)、ドイツ語はほとんど出来ず、英語や体育や美術といった科目の授業だけ出席。ロシア語が話せるクラスメート(親がロシア語圏からの移民)がお手伝いをしているけれど、ほとんどの授業でドイツ語のみを使うよう先生に言われているそうです。

私達が住んでいる町には、ドイツ語が出来ない5年生以上の生徒を集めた学校があり、移民や難民の子供達はまずその学校でドイツ語を集中的に学んでから、普通の学校に編入します。私はてっきりウクライナからの子供達もその学校に入ると思っていたのですが、人数が多過ぎて受け入れられなかったのかもしれません。1~4年生はいきなり普通の小学校に編入しますが、知人の子供が今年の夏に入学する予定の1年生クラスでは、29名のうち10名がウクライナ避難民なのだとか。

ドイツに来るシリア難民はもう国には帰れない覚悟だが、ウクライナ難民の多くは出来るだけ早く祖国に帰りたいと思っている。だから子供の教育も、ドイツの現地校に通わせるよりも、元々通っていたウクライナの学校のオンライン授業を優先させるケースも多い、とも聞きました。どのような形で教育を続けるのが子供にとって最善かは、ドイツに滞在する期間にもよるでしょうが、現状ではそれが読めない。

# by penguinophile | 2022-04-27 05:58 | 徒然 | Comments(0)

支援

「ドイツはゲルマン人が住む国」という渡独前の私が抱いていたイメージに反し、実はドイツは移民が多い国だった。2015年の難民危機で、更に外国人が増えた。そこに今度の戦争が起こり、ウクライナから毎日10万以上の人々が、身一つで逃げ出している。ドイツはウクライナと直接国境を接してはいないけれど、ポーランドを挟んだ地続きの大国。そして移民・難民慣れした国はさすがに動きが速い。良き市民達のキリスト教的精神が本領を発揮しているようにも感じる。

昨日、夫が仕事でデュッセルドルフに行ったところ、中央駅には難民を誘導するウクライナ国旗色のサインがいくつも設けられていたという。たかが人口15万人程度の我が町でも、ボランティア通訳や宿泊所の提供を市民に呼び掛けると共に、難民収容所が設置されたらしい。収容所と言っても数年前まで駐留していたNATO英軍の兵舎の再利用だから、それなりに設備は整っているのだろう。ポーランドにある姉妹都市は、ウクライナ国境から10㎞程度しか離れておらず、人口6万人の町に毎日3万人が避難してきて、てんやわんやらしい。どんどん他の自治体や隣国に送り出さないと、町がパンクしてしまう。

子供達が通うギムナジウムの生徒会からも、必要な保存食品や医薬品等のリスト付きで、寄付のお願いがあった。地域で集めてトラックでウクライナ国境まで運び、別の支援団体がウクライナ国内に届けるらしい。医薬品は正しく買える自信がないので、スーパーでの買物ついでに、保存食品等を少し準備した。必要としている人の手に無事に届いて欲しい。
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教会や広場では、平和を祈る集いが開かれている。うちの子供達にも聖歌隊の招集がかかり、今日は大聖堂に歌いに行った。てっきり終了後にウクライナへの寄付を募ったかと思いきや、それはなかったらしい。信仰を持たない私は、「大人数で強く神様に祈れば、戦争がなくなり人々は救われる」とは信じられないので、「いい機会だから寄付を募ればいいのに、なんかもったいないなぁ。週末にわざわざ平和への祈りを捧げに教会に集まるような敬虔なキリスト教徒達は、ポケットに入っている小銭を喜んで差し出してくれただろうに。」と思ってしまった。

苦境に陥ったウクライナの人々を近隣諸国が一時的に保護するのは当然だし、ドイツが必要な支援を着々と準備し具体的に実行に移している様は、尊敬に値するし頼もしいとも思う。しかし一番いいのは、ウクライナの人々が、なるべく早く安心して祖国の自宅に帰れる環境になる事だ。なのにテレビに映る現実は、多くの市民の慣れ親しんだ我が家が瓦礫と化している光景だ。

# by penguinophile | 2022-03-13 06:37 | 徒然 | Comments(12)

ウクライナ

小学校から高校まで一貫して、体育と社会が超苦手科目だった。なにせ多少の努力ではカバーのしようもないレベルの運動音痴なので、体育の実技が苦手だったのは致し方ない。これに対して社会科は、やる気も興味もなくて勉強しなかったのだから、100%自分の責任だ。歴史については「過去の事なんか覚えても意味ないじゃん」とか思っていた。「過去を理解しないと、現在を理解できない」という視点が欠けていたのは、愚かの極み。小学校からの友人に「世界史でやったでしょ!」と言われて、「忘れたよ、いやそもそも最初から覚えてないよ」と答えた事が何度あるか。学生時代にもう少し真面目に勉強していれば、いま欧州で起きている事がもう少しよくわかったのかもしれない。まぁどうせ忘れていたかもしれないけれど。

ロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、コロナ報道はどっかに吹っ飛び、ニュースはウクライナ情勢一色。ドイツから見て、ウクライナは「隣の隣の国」だ。ヨーロッパ域内での明らかな軍事侵攻は、ドイツにとっては相当なショックだったのだと思う。ニュースで「80年ぶりの事態」と耳にして、一瞬なんの事かわからなかったのだが、第二次世界大戦の引き金となったドイツのポーランド侵攻を指していた。子供達が通うギムナジウムでは、政治や地理の授業で、ウクライナ情勢の背景を解説してくれた。私も聴講したい位だが、そうもいかない。解説記事は巷に溢れているが、音声コンテンツは検索にひっかかりにくいと思うので、私が聴いてためになったPodcastを少しご紹介。私のように「目と手は忙しいけど、耳と頭はヒマ」な時間が多い人には特にお勧め。専用アプリは不要で、インターネットブラウザから聴ける。

ウクライナ(前編)なぜロシアは侵攻したのか プーチン氏に見る「恐れ」 #583
ウクライナ(後編)見透かされた「制裁の穴」 ロシアを誰が止められるのか #584


37. 欧州で戦争が始まったーウクライナ情勢の展開と歴史

ちなみにドイツは、ほんの一ヶ月前には武器提供を求めるウクライナにヘルメットを送って失望されていたが、どうやら腹をくくったらしい。

こうして世界情勢が大きく動いたのとちょうど同じ頃、ほんの数か月前まで政治の表舞台で活躍していたメルケル元首相は、ボディガードが随行していたにもかかわらず、スーパーで買物中に身分証明書、免許証、カードが入った財布をすられるという不運に見舞われた。
メルケル氏は自分で警察に被害届を出しに行ったらしいから、警察署の人も驚いただろう。犯人も、盗んだ身分証明書を後から見て、仰天したかもしれない。財布を体から離していたようだし、護衛が守るのはメルケル氏の身体であって財布ではないとはいえ、とんだ赤っ恥だ。被害に遭ったメルケル氏には心から同情するが、もしこの戦争が在任中に始まっていたら、自分で買物などしている余裕はなかっただろう。

ロシアとウクライナの兵力には歴然とした差があるらしいから、もしウクライナ首脳陣がさっさと他国に亡命していたら、あっという間にロシアが全土制圧していたかもしれない。今のウクライナで、大国ロシアに抵抗する力を国民が振り絞るために必要とされているリーダーは、体を張って国民を鼓舞する精神的な支柱なのかもしれない。ウクライナの大統領は、コメディー俳優出身で軽く見られていたらしいが、今は文字通り命がけでこの役割を果たしているように見える。つい先日までごくごく普通の平穏な生活を送っていた一般の市民達が、家を捨てて身一つで逃げ、家族がバラバラになり、武器を手にする姿を目にすると、やはり心が痛む。どちらが勝っても構わないからとにかく平和を、と祈っている国民も多いだろう。ロシア国内でもプーチン大統領のやり方に抗議している人がいるし、ロシア兵全員が本心からウクライナ侵攻に前向きだとも思えない。

子供達がまだ小さかった頃に、兄弟喧嘩を止めたら、「大人は喧嘩しないんだよね」と言われた。それが本当だったらどんなに良いだろう。子供の喧嘩より大人の喧嘩の方が余程たちが悪い。

# by penguinophile | 2022-03-03 00:34 | 徒然 | Comments(0)