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ハーフのアイデンティティ

最近たまたま見かけた読売新聞「発言小町」サイトへの投稿。


あぁ、うちの子供もそのうちこういう事で悩むのかなぁ・・・と、レスを含めて興味深く読みました。

長男は、1年生の頃から毎年、日本の学校を体験させてもらっていますが、数年前のある日、「ボクはドイツでは中国人と言われ、日本ではアメリカ人と言われ、もうワケわかんないよ!」と憤慨しながら帰ってきた事があります。いやホントだよねぇ、困っちゃうよねぇ~っと苦笑するしかありませんでしたが。本人の認識は「日本人の母親を持つドイツ人」らしいです。まぁ正しい認識でしょうね。ただし胃袋は日本人寄りかな。典型的なドイツ人少年は、炊飯器の蓋を開けながら「あぁ、炊き立てのほっかほかの白いご飯113.png」とうっとりはしないだろう。

私も外国の超保守的な田舎町暮らしですが、白人以外の外国人も結構いるためか、あからさまな人種差別を受けた事はほとんどありません(もちろん人種や文化間の差別や軋轢と無縁の世界ではなく、例えば長男が四年生の時には、クラスの純ドイツ人派閥とロシア系派閥の間で喧嘩が起こり大騒ぎになった事がありました)。「cool Japan」なんて日本に憧れる感覚はおそらく若い人のごくごく一部で、大多数のドイツ人にとって日本は「自分には関係ない遠い国」という認識でしょう。強いて言えば「人畜無害」と思われているようで、それは有難いと思っています。そもそも日本人が少ないせいもありますよね。一年間に何十万人も身一つで入国して来られたら大きな社会問題になりますが、日本人は違うので、別にあえて賞賛したり批判したりする必要もない存在でしょう。日本が北半球にあるか南半球にあるかすらよくわかっていなかったりします。とは言え寿司は誰でも知っていますが、単に「生魚を食べるなんて気持ち悪~い」という認識の人も多いでしょうね。

私は日本で育った純日本人なので、自分の子供達がアイデンティティに関して悩んでも、その悩みを本当に理解はできないでしょう。ただ、日本とドイツにルーツを持つ一個人として、胸を張って生きて行って欲しいものです。




夏休みは家族で日本に里帰りしていました。
実は私たちが日本に飛ぶ三日前に、父が他界しました。高齢でしたし持病もありましたので、覚悟は出来ていましたが、もう一度会ってお別れを言えなかったのは残念でした。成田から斎場に急行して通夜が始まる5分前に滑り込み、滞在中は諸手続きのため区役所や年金事務所や税理士事務所に赴き、ドイツに戻る三日前に四十九日の法要を済ませました。
子供達にとっては初めて経験する肉親の死でした。告別式の「かぁ~~~~~つっ!!!」という雄叫び、もとい「喝」に飛び上がり、日本は火葬とすら知らなかったのにいきなり遺骨を目の当たりにして、更に箸でお骨を拾うのは、なかなか衝撃的な体験だったようです。
父の死に目に会い損ねたせいか、遺体は生前の姿とは印象が違うせいか、どうも実感に乏しく、父はまだ介護施設にいるような気すらしたままドイツに戻り、子供達は7,5,3年生になりました。


Commented by ちえ at 2019-09-28 20:17 x
読売新聞のポストは白人社会に住む日本人と白人のハーフの子の話ですが、たまたま見たNHKのハーフのアナウンサーの番組では日本に住む外国人とのハーフの子としての悩みを取り上げていて興味深かったです。その中でチラリと出てきたサイトが興味深かったので、よろしければご参考まで。
https://www.hafutalk.com/
Commented by penguinophile at 2020-01-04 17:41
ちえさま
返事を書き忘れていたらしい...ごめんなさい。
サイトの紹介、ありがとうございました。
by penguinophile | 2019-09-23 01:51 | 子供 | Comments(2)