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"Bridget Jones’s Diary" / Helen Fieldings; "Persuasion" / Jane Austen

ある朝、カーテンを開けたら雪景色!
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通学途中、自分の投げた雪球が通りすがりの私に当たっても、謝りもしないクソガキ(職業学校の生徒)に遭遇。一言発して睨みつけたものの、知らん顔されました(>_<)。

ドイツ語コースの進級後は、
「仕事をしていたら一日に8時間は働くんだから、皆さんは学校で3時間+家で5時間は勉強できるわよね♪」
と朗らかにのたまうベテラン先生にしごかれる日々でございます。家事は最低限未満しかやらず、主婦というより単なるプー太郎状態のpenguinophile、返す言葉もございません。「5時間も自習~っ!」と一瞬ビビってしまったのは、軟弱者に成り下がっている証拠。思えば去年の今頃は、年度末と退職前のドサクサが重なり、8時間労働どころか、土日さえ危うく午前様の働き蜂状態でしたっけ・・・(遠い目)。

閑話休題。今更ながら「ブリジット・ジョーンズの日記」。映画はDVDで観た事がありましたが、原作と続編DVDが図書館にあったので、読んで&観てみました(続編原作は未読)。

原作は、なんと言いますか、フツーにお気楽に楽しんで読めました。映画と比べて一番違うと思ったのは、ブリジットの母親のぶっ飛び方が尋常ではなかった事と、最後の数ページで劇的な展開を見せた事。「主人公の家族の恥ずべき行動を、相手が後始末してくれた」という、オースティンの「高慢と偏見」を踏襲したらしき原作のエピソードが、映画ではカットされていた事にも気付きました。
それにしても、原作と映画2本、どれを取っても「なぜマークがブリジットにあんなに惚れたのか?」が理解不能。いや、ブリジットは憎めないお人柄という意味で愛すべき人物だとは思いますけど・・・。まぁ、そもそもラブストーリーなんですから惚れなければ話にならないし、別にどーでもいいんですけどね、はい。

その後、ジェーン・オースティンの晩年の作品"Persuasion"(邦題は「説き伏せられて」あるいは「説得」)を読みました。こちらの主人公は28歳。時代背景の違いを考えれば、32歳のブリジットより「適齢期」を過ぎているような気がします。主人公がまだ19歳の頃に周囲に「説き伏せられて」泣く泣く別れた婚約者が、再び目の前に現れ・・・というお話です。

この作品も面白く読んだのですが、正直、同じオースティンの"Pride and Prejudice"や"Sense and Sensibility"程には引き込まれませんでした。その原因を考えるに、どうやら主人公の家族関係にあるような気がします。P&PやS&Sでは、問題はあれど愛情あふれる家族が、主人公を囲んでいました。それに対し、"Persuasion"では、主人公の家族は高慢で冷たく、むしろ他人の方が彼女の良さを理解して家族同様に受け入れています。なんだか可哀想なシンデレラみたーい、とか思ってしまいました。エンディングの第一稿が付録に入っていましたが、個人的には本編に入っている「手紙」のほとばしる情熱が好きです。



私は結婚したのが遅かったので、ブリジットと同じく、いわゆる「30台独身・負け犬女」でした。それ故に、ブリジット同様、結婚や出産といった人生の王道をまともなタイミングで歩んでいらっしゃる皆様から、全く悪気はない善意からの有難~い(が、かなり有難迷惑で無神経な)ご質問やご忠告を、うんざりするほど戴いて参りました。曰く、「最近はいい人いないの?」「お前の人生、それでいいのかよ?」「あんまり高望みしないで、適当な相手で妥協しといた方がいいよ。」云々。

相手の人生を本気で考えて心配し、必要ならいい相手を紹介する心づもりがあるならまだしも、こういう質問や忠告の大半は、単なる興味本位。ちょっと気になったから聞いてみた、先輩らしくお説教してみたい、飲み会で話が途切れたからふってみた、ただそれだけ。相手の気持ちなんか全くお構いなし。

同様に、子供がいない夫婦に「どうして作らないの」「早く作りなよ」などと言う人もいます。これも「自分が勝ち組ゆえの傲慢だなぁ」と思います。子供を作らないという選択肢だってもちろんあるし、欲しくても出来ないのかもしれないし、流産した経験すらあるかもしれない。ある意味、結婚より重い話題なのに、気楽にお説教をたれる輩のなんと多い事か。発言者が大臣でもなければ問題視されないだけの話。

セクハラという概念が浸透してからは、女性の同僚に面と向かってこの手の発言をする男性は減ってきたとは思います。でも、職場と関係ない付き合いでも、同性でも、安易に相手のプライベートに踏み込むべきではないでしょう。
結婚している人の方が偉い訳でもなければ、子供がいる人の方が偉い訳でもない。自分の価値観を他人に押し付ける権利など誰にもない。「性格が合わない人と結婚して、欲しくもない子供を持つよりも、一生独身の方がずっと幸せ」という考え方もあるのです。

・・・なんだか長く&攻撃的になってしまいました。すみません。おまけにドイツとは全く関係ないし(笑)。
でもこういう意見って、自分が独身の頃は、「負け犬の遠吠え」に聞こえそうで、なかなか言えなかったんです。「余計なお世話」と突っぱねたい気持ちを抑え、「ご縁がなくて」と曖昧に微笑んだ経験、数知れず。結構ストレスたまりましたわぁ~。遅ればせながら結婚した今だからこそ、やっと堂々と吠えられます。あぁちょっとすっきり!(^^)
Commented by nyf1403 at 2007-02-10 03:28 x
「高慢と偏見」も、オースティンの小説のみでは、どうしてなの?って思います。あの人のドラマだとなんとな〜く、わかるし、ダーシー三部作は、すっごく詳しく書いてありますが、これはオースティンが考えたことじゃないしな。
どちらのダーシーも、「自分とくっつきたくて仕方がない」女性に囲まれていたところ、自分にそういう興味を示さない女性に出会った、というのがキーポイントか?

それから、全然攻撃的なんかじゃありませんって!賛成って、ここで諸手をあげております。

それから、BJD続編原作日本語が、今、デンに出張しておりますが、もどりましたらそちらへ派遣いたしましょうか?こっちは映画とぜんぜ〜ん、違います。かわいそうになっちゃいます、BJが。
Commented by akberlin at 2007-02-10 09:59
「負け犬」って、とある作家さん?ライターさんが自作のタイトルに
使って以来、すっかり浸透して30代独身女性の別名みたいに
なってますが、結婚してないことが負け?子供がいないと負け?
ブリジットにしてもそのほかの私の知っている友達にしても
どこが「負け」?って思っちゃいます。恋を探して、あるいは
趣味に、仕事に、とずっとイキイキしてる。

身近な人たちを見ていて子育てってすごく大変なことだと
思うし、少子化の昨今、とても偉いと思うので妊婦さんも
ベビーカーも(ドイツ並みに)もっと威張っていいと思うけど、
子供のいない人に対して不用意にいろいろ言うのってたしかに
どうかと思います。

私も30代もかなり進んでからゴールイン組。世間的には
「負け犬」から「勝ち犬」に、というんでしょうか、こんなんでも。
でももし「勝ち犬」と呼ばれるであれば「勝ち犬の泣き言」
も大いにあります。負け犬時代に存分にできていたことで
できなくなったことのあれやこれや・・・。
Commented by eastwind-335 at 2007-02-10 16:37
結婚して数年すると、女性の先輩から子供はどうするのかと聞かれました。私たち夫婦は「授かりもの」と考えていると答えたら、面識のない夫のことを批判しはじめました。この人は高齢出産でしたので、penguinphileさんやakberlinさん同様30代になってからの結婚だった私を心配しているのだと好意的に思うように心がけましたが、夫のことについては納得していません(今も)。
私の職場では、男性のほうが、自分も同じ立場だからか、この手のことを言いませんね。
さて、先述の女性から、ある大学教員(40代半ば)のお見合い相手を探して欲しいと頼まれたことがあります。そのとき「子供を作りたいはずだから、30代後半じゃ困ります」と。年下の友達はいませんので、とお断りしましたが(いや、家庭教師時代の教え子とかいないわけではないんですけれどね)。

最近の大臣発言、ホント、ふざけています。もう、開き直りみたいですね。でも、考えて欲しい。もし、自分、いつまでも結婚しない娘が、結婚しても子供に恵まれない娘がいて、「女は生む役目だ」と言われたら(機械は論外です)。現首相夫人、今回の大臣発言については、何も思わないのかな?
Commented by penguinophile at 2007-02-10 23:04
nyf1403さま:
来る者に興味が湧かず去る者が気になる・・・つれないフリをした女の方が結果的にダーシーの狩猟本能をそそった、ってか?(^^;;;

遠吠えにご賛同、ありがとうございます。

あと、BJD2原作本の貸し出し申し出、どうもありがとうございます。でもあの本はちょっと翻訳本で読む気はしないので、そのうち機会があったら英語版を読む事にしますね。BJ、可哀想なんですか!?
Commented by penguinophile at 2007-02-10 23:20
akberlinさま:
私も「独身のどこが負け?」とずっと思っていたし、今も思っています。結婚願望がすごく強い人が、「独身=負け」と感じてしまうのはわかるんですけど。結婚願望が皆無だと、むしろ既婚者の方が不自由で負けてるように見えそう。

私は結婚が決まった時、職場の先輩(男性)に「これで一気に負け犬から勝ち犬にのし上がるね」と言われました。でも結婚に伴い仕事も祖国も離れる羽目になった身としては、総合的に勝ちだとはぜーんぜん思えないですねぇ。勝ちも負けもなく、単に一つの選択を行った、という感じ。
Commented by penguinophile at 2007-02-10 23:36
東風さま:
子供はやっぱり「授かりもの」ですよ。だって20台前半で結婚してずっと欲しがっていてもできるとは限らないから。
高齢出産経験者に「子供を産むならなるべく若いうちの方がいいわよ」と言われたら、「やっぱそっかー」と素直に思いますが、批判は筋違いもいいところだし、まして面識もない配偶者の批判は論外ですねぇ。

最近の大臣発言、そこらのオヤジが居酒屋でとぐろ巻いてる時の発言だったら、苦笑して聞き流しますけど、あの立場の人に人前で言われちゃうと、腹が立つというよりなんだか国民として情けないですわ。トホホ。
Commented by nyf1403 at 2007-02-11 04:00
三部作を読みますとね、最初の申し込みの前に、リジーがいかにダーシーの理想の女性であるか、ということの彼の独白が延々と書かれていたりします。これを読んで、それからオースティンの原作を読むと、ダーシーの内面の葛藤とか、書かれていないのね〜、って思います。だからこそ、これだけ二次創作が多いのでしょうね。

BJDは、日本語とドイツ語で読みましたが、確かに日本語翻訳はドイツ語翻訳よりは劣るかな、と思いました。オリジナルで読むのがベストでしょうが、ドイツ語があると、どうしてもそちらへ流れてしまいます。
続編・・ライバルの陰謀が成功してしまうんですよ。最後は大丈夫ですけど。コリン・ファーストのインタビューのところが最高です。是非、お読みくださいませ。映画より、ずっとずっとおもしろいです。
Commented by penguinophile at 2007-02-11 20:17
nyf1403さま:
独白が延々ってなんだかスゴイですね(笑)。魅力的な謎の主人公だから想像力をかきたてるのかしら。

続編原作、そう勧められるとかなり気になってきました(^^)。ライバルの陰謀!DVDの特典映像を見ていたら、原作にはダニエルは出てこないとあったので、そりゃかなり映画と違うんだろうな、とは思ったんですが。
Commented by nyf1403 at 2007-02-11 22:03 x
DVDの得点に、BJが"Colin Firth"をインタビューってありませんでした?これは原作にちゃんと場面があるんです。
Commented by anthonberg at 2007-02-12 00:58
このたぐいの話になるとpenguinophileさんと同世代の私も熱くなりますね!(笑)多分どこの国でも30歳過ぎたら『どうして結婚しないの?』と言われるかもしれませんね。そして結婚していたら『どうして子供作らないの?』になるんですよ。結局は型にはまらなければ立場が悪いような感じなんでしょうかね。コメント欄なので書かせて頂きます。私の仲良しの友だちはお金持ちの娘で結婚して子供もいて家も車もあり一見幸せそうですが、家庭内は破壊しかかっています。幸せって外からではわからないし、他人と比較も出来ないんですよね、本当は。
例の大臣、本当に困ったものですよね。異国にいてもムカつき度100%ですわ、本当に。言うだけ簡単だ、まったく。←キレる寸前?
Commented by penguinophile at 2007-02-12 23:45
nyf1403さま:
DVD特典のインタビュー、ありました&見ました!「こ、この女いったい・・・」って感じでしたが(^^;;;
Commented by penguinophile at 2007-02-13 00:05
anthonbergさま:
ほよ、復活?だいじょぶかしら?
一緒に熱くなってくれてありがと~(笑)。

>幸せって外からではわからないし、他人と比較も出来ないんですよね、本当は。

そうですよね。だからこそ、よく知りもしない人のプライベートに土足で踏み込むのはやめてよねー、悪気がなければ何を言ってもいいって訳じゃないんだよー、みたいな。
Commented by nyf1403 at 2007-02-13 04:46 x
そうDVDのはひどいでしょ。でも、原作はもうちょっとまともです。
というか、原作のBJは映画のBJとは、続編においては、全く別人物と思った方がいいと思います。あの続編映画は失敗作です。
Commented by penguinophile at 2007-02-13 22:38
nyf1403さま:
続編、そんなに別物ですかー。映画は「まぁこんなもんか」って感じでしたが。
1でも小説と映画のBJはちょっと違いますよね。映画はさすがに映画だけあって、劇画的というか。
by penguinophile | 2007-02-10 03:04 | 徒然 | Comments(14)