2008年 07月 21日
お誕生会@猟師小屋
会場の猟師小屋↓
中は「猟師小屋」と聞いて私が勝手に抱いたイメージよりずっとお洒落で綺麗でした。猟師が住んでいた家ではなく、狩をする際のホームベースとして使われていたようです。
パーティーは夕方4時頃から始まり、スパークリングワインで乾杯の後、ゲストが焼いてきてくれたケーキとお茶で歓談。その後、会場が猟師小屋という事で、「狩り」をテーマにした歌を庭で歌ったり、義母が自作の詩を披露したりしました。
さて、このパーティーについて義母と電話で話した際、「何か日本らしい余興を準備したら」と言われたものの、軽~く聞き流していたのですが、夫から宿題を出されてしまいました。それは「狩に関する日本の詩を探す」こと(ひぇ~)。しょうがないからネットで検索しましたよ。で、最初に見つかったのが以下の二つ。
森の奥より銃声聞ゆ
あはれあはれ
自ら死ぬる音のよろしさ
石川啄木
ことはりや
いかでか鹿の鳴かざらん
今夜ばかりの命と思へば
和泉式部
・・・狩猟の浪漫に打ち震えるゲルマン民族を相手に、殺戮の無益さやもののあはれを説く根性は私にはございません・・・orz
更に探して見つけたのが以下の短歌。
夏の夜は
照射の鹿の目のだにを
あはせぬほどに明けぞしにける
和泉式部
これならまぁいっか。という事で、夫がつけたドイツ語訳↓
Kurze Sommernacht
Fackellicht am Wildwechsel
scheint von keines Rehs
glänzenden Augen zurück
schon dämmert der neue Tag
Izumi-Shikibu
いちおうドイツ語でも音節の長さを五七五七七にしてあります。そもそも私の解釈が間違っていたかもしれませんし、日本語の詩を一言一句説明するのは英語でもかなり難しかったですし、更にドイツ語の音節の長さを合わせる必要もあったもので、元の短歌とはだいぶ違う代物になってしまったような気もしますが、まぁ素人芸(?)なのでこのへんで勘弁してもらいましょう。
パーティーでは、ドイツ語の嵐の中で終始おとなしくしていた私ですが、「和泉式部は女官(Hofdame)だった」という夫の説明に対して、義母からすかさず入った「あっ、Geishaね!?」というツッコミはさすがに聞き捨てならず、速攻で「Nein!」と返しておきました。
おっとっと、義母さまでした、失礼!!
Geishaということも、あの有名な映画のGeishaが真実正しいと思っているからな、ドイツ人。売春婦と一緒にしている輩もいるし。
最近はもう、めんどくさくて、「ドイツ人には理解できない文化だから、説明しない」って言っています。ひんしゅく買っているけどいいんだー。
みなさんこんな格調高いパーティをされるんですか?
狩りを詠んだものって言われてもちょっと思い浮かばないっす。
雉も鳴かずばみたいな民話くらい。
ところでお義母さまはHofdame(女官)と聞いてGeishaだと思ったんですよね。Geishaとは宮中(そっちだと宮廷)で貴族の世話をする女性だという認識なんでしょうか。
実のところ芸者(つーか芸妓)がどういう人かって私らにも分かりませんよ。外人にでも聞かれたら答に窮するな〜。
そ、それは凄いですねぇ。
うちは誕生日に特別な集まりをすることはないようです。
そういうドイツ人家庭もあるようです~
夫や義姉が子供の頃はさすがにやっていたようですが。
うふ、ちょっと楽チンなわたし!
芸者の世界、ちゃんと説明できるほど知らないのですが、それにしてもあの映画はなんだかGeishaテーマパークのイメージ映像みたいだなーと思いました。原作はどうなんでしょうかね。
義母は詩が趣味でサークル活動をしていたりオンデマンド出版していたりするので特別だと思います。
たぶんあまり深く考えずに「昔の日本の女性=Geisha」という連想ゲームをしただけなんじゃないですかね。否定されても「あらでも・・・」と納得してなかった様子ですが、芸妓の世界に疎い私でもわかるくらい根本的に全然違うっちゅーねん。
詩の交換、すごいでしょう~!?参りましたよ。またやってくれとか言われたらすごーく困るんですけど(--;
義両親の誕生日、これまでは自宅に友達数人や兄弟を招いて食事やケーキという程度だったんです。今回はたまたま猟師小屋を管理している人と知り合ったので普段より少し大がかりになったみたいですね。
ああ、誕生日。悩ましいです。私の交友関係は狭いんでどうでもいいんですけど、バカオの誕生日は仕事の関係上、スルーするわけにはいかないんですよね。今はバカオが50歳になる前に日本に帰れることを祈るのみです。
それにしても、ゲイシャ、どこにいっても有名人ですね。(笑)
うちの義母は、日本を知るためといって日本の小説の翻訳をたまに読んでいるようですが、見てみたらほとんどが瀬戸内寂聴でした。それもどうかな…。
和泉式部、草葉の陰で涙を流しているのは間違いありません・・・詩を誤訳された上に芸者よばわりされちゃねぇ。
仕事の関係上スルーできない誕生日パーティーって、なんだか日本の披露宴みたい!?悩ましいところですねぇ。うちの夫はそういう義理付き合いがあまり必要ない職種のようで私は助かってるかも。同僚の人数分のBerlinerを買って持参した、と後から聞いて、アラもしかして何か作ってあげるべきだった?ってちょっと思ったけどまぁいっか、みたいな悪妻です(笑)
個人的には芸者の登場でアカデミック度30ポイントダウンです(^^;。
日本を知ろうと心がけるとは、いいお義母さまですね~。でもほとんどが瀬戸内寂聴って・・・しぶいというかなんというか・・・
例の映画は日本人として色々許せないので観ていませんが、原作はとてもよく書けていると英語で読んだ日本人の友達が言ってました。
詩で比べる日独文化という研究テーマもいいな~。
MOMOのご主人様は、一人で韻をふみながらドイツ語で話して喜んでいますので、ぜひとも仲間に入れてやってください。ご主人様のは、きっと、日本ではダジャレとして訳せるものかもしれませんけどね。
それはまた過激な受け答えを・・・そりゃ相手も黙らざるをえませんな(^^;;
まだ映画化される前、やはり原作を英語で読んで勧めた知人がいたんです。確かモデルになった女性が書いた反論書?も出てましたよね。
いやいや、意味の解釈、間違ってるかもしれませんよ~。ネットでは短歌は見つかったけど現代語訳までは見つけられなかったので。なにせ「”明けぞしにける”ってやたら長いのに本当に夜が明けるという意味しかないのか?」と夫に問われて絶句したレベルですから。トホホ。
ドイツ語で韻を踏んで話す人なんて、うちの義母は大喜びかも。私は絶対気がつかない自信がありますけど(^^;;